J-REITの登場人物の紹介その3です。

アセットマネジメント会社の項でも触れましたが、J-REITは他の登場人物たちにアウトソーシングすることにより成り立っています。AM会社の代わりに具体的に物件を管理しているのはPM会社です。主にPM会社が行う業務は以下のものです。

  ①新規テナントの募集、テナント誘致プランの立案・実行、契約条件の交渉・賃貸借契約書の締結
    ・AM会社のアセットマネージャーから稼働率の向上を常に求められます。賃貸契約の条件(賃料はいくらか、フリーレントは何ヶ月か)はアセットマネージャーが決めるので無理な条件を押し付けられることもしばしばあります。(汗)実際に汗を書いてるのはこのPM会社の社員達です。

 ②テナントの管理、物件の設備・保守管理
  ・PM会社の主な収入は大きく3つ挙げられます。
   1.賃料回収による手数料(テナントから回収した金額の2%~4%が毎月の売上になります。PMフィーといいます。)
   2.新規テナント成約時の広告料(リーシングフィーといいます。)
   3.建物管理報酬(物件の定期点検・清掃、テナントからのクレーム対応。BMフィーといいます。)
   上記のうち、3の業務を他社発注する場合もあります。

 ③物件の予算の作成及び実績の比較
  ・予算は投資法人の決算期の2~3ヶ月前に作成し、AM会社に提出します。

 ④小規模な資本的支出の意思決定
  ・AM会社により金額のスタンスは違いますが多くは10万円以下はAM会社の承諾無しでPM会社の判断で工事をできるのが一般的です。多くのAM会社は工事後の完了報告書の提出を求めてきますので工事したふりは禁物です。

 ⑤テナントからの賃料収受や経費の支出に伴うキャッシュ管理
  ・たいていは物件1つにつき口座を1つ作成します。その口座で賃料の回収、物件費用の支払いを行いますのでEBないしIBより入出金を確認します。

 ⑥毎月のPMレポートの作成(マンスリーレポート)
  ・⑤で回収した賃料等、物件費用等をレポートという形で提出します。レポートは専用のシステムで作成するのでPM会社はこのシステムを操作できることが必須です。レポート作成ソフトの多くは「@プロパティ」「PMボランチ」「ファンドマネージャー」など多種多用ですが大差はありません。
 
 先日ご説明したAM会社と比べて如何でしょうか。実際にテナントや入居者の対応、工事業者の発注など実務を行うのはPM会社。つまり一番物件を知っているのはこのPM会社の社員なのです。


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