J-REITのアセットタイプ(投資物件の種類)の一つとしてヘルスケア(シニアと呼ぶ場合もあります。)があります。

ヘルスケアの種類には主に老人ホーム、グループホーム、病院も該当します。

 これまではオフィスやレジデンス(住居)、リテール(商業施設)を運用する投資法人が中心で、一部の投資法人がロジスティクスやホテルを運用していました。


景気感応度の高いアセット順に並べると

ホテル→リテール→ロジスティクス→オフィス→レジデンス→ヘルスケアとなると思います。

 今まではレジデンスが一番安定していると理解されてきましたが、少子化が更に進んでいく日本ではレジデンスより賃料収入の安定が見込まれるアセットだと思います。そんなヘルスケアの魅力を紹介します。


①拡大するシニアマーケット

 少子高齢化が進んでいる日本では介護する側の世代が減少しています。
 介護施設のニーズは確実に増加すると思っています。


②安定した賃料を回収できるかはオペレーター頼み

 これはホテルについてもいえることですが、老人ホーム等を運営するのはオペレーターとなる会社です。このオペレーターが介護事業を営み賃料を投資法人に支払いいます。
 つまりオペレーターの介護事業で売上を上げられなければ賃料を支払うことができません。


③賃料の源泉は「介護報酬」

 オペレーターの介護事業は介護報酬で賄われます。
 介護保証料の9割が国からの支給になりますので賃料滞納リスクは小さくなります。


④ローンが返済できなかった場合の「担保」としての評価

 運用物件である老人ホームや病院に担保がついている場合でローンがデフォルトになった場合、レンダーはその老人ホームや病院をどのように扱うのでしょうか。
 比較的売却相手が見つけやすいオフィスや入居者を追い出しやすいレジデンスと違い実際に物件にお住いの方は社会的弱者の方です。レンダーにとって流動性リスクを抱えることになるためローンの貸出条件が他のアセットと比べて高くなる安いと見ています。


⑤配当金だけではなく「株主優待」での受取り

 J-REITは不動産を運用し配当金を受け取るという流れが一般的でしたが、株主優待制度をもった投資法人がいくつか出てきました。シニア系では老人ホーム等の居室割引券などの形で受け取れます。