日本アジアグループ㈱は2017年5月25日に決算発表を行いましたが、太陽光発電設備の受託事業は悪化していますが、売電事業は57箇所の発電所のお陰で安定しています。
 2017年4月18日には鹿児島県曽於郡大崎町で菱田ソーラーウェイ(2.7MW)が竣工。2017年4月27日には栃木県南地区で壬生ソーラーウェイ(約16.8MW)が竣工しました。両方の発電所とも、事業者は日本アジアグループ㈱の傘下企業であるJAG国際エナジー㈱です。

菱田ソーラーウェイ 鹿児島県曽於郡大崎町

 鹿児島県の東部に位置して志布志湾に面する大崎町で竣工した菱田ソーラーウェイは民間所有の遊休地5万5,169㎡にカナディアンソーラー製のパネル、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPCSを設置し、約2.7MWの出力を持っています。
 一般家庭の年間電力消費量の約860世帯分に相当する年間発電量を計画しており、電力は全量が九州電力に売電されます。


壬生ソーラーウェイ 栃木県下都賀郡壬生町/下野市

 約16.8MWの出力を持つ国内最大級の壬生ソーラーウェイは栃木県南部、壬生町と下野市にまたがる約20万3,000㎡の敷地を持っています。
 マルハニチロアセット(食品会社のマルハニチログループの不動産部門)が所有していた土地を、JAG国際エナジー㈱が取得し発電所開発。京セラ製のパネル、TMEIC製のPCSで約16.8MWの出力を持つ大型のメガソーラー設備です。
 計画されている年間発電量は、一般家庭の年間電力消費量にして約5,130世帯分に相当する規模となるとしています。
 発電所建設にあたっては、東京都の官民連携再生可能エネルギーファンド事業に採択され、投融資を受けています。このファンドによってこれまで9件の再エネ発電所案件が投融資を受けています。

 官民連携再生可能エネルギーファンドの目的は再生可能エネルギーの都内での導入促進、東北地方等における広域的な普及拡大等としており、発電所の建設により、再エネの導入促進や、未利用地の有効活用や固定資産税等の支払いなどによって地域経済への貢献が期待されています。

20170602東京都-官民連携再生可能エネルギーファンド

【出典:東京都会計管理局官民連携再生可能エネルギーファンドの概要より】


 全く盛り上がっていないインフラファンド市場。盛り上がっている勘違いし続けているのはインフラファンドを傘下に抱えるタカラレーベン㈱といちご㈱だけですが、私募ファンドとして東京都と組んで行っているのはJAG国際エナジー㈱とスパークス・アセット・マネジメント㈱です。スパークスは以前インフラファンドを上場させようとして断念しています。2017年5月の状況を考えるとスパークスの判断は英断だったんじゃないかと思ってしまいます。

 売電価格が頻繁に変更になるところと電力会社が出力制限を設けているところを考えると、太陽光発電設備が安定的に賃料を獲得し分配金として投資家に分配するという流れが投資家さん達に分かりにくいのが原因だと思っています。J-REITのように出口戦略がある訳でもなく、バリューアップ工事を行い募集賃料を増額する等の内部成長は考えにくいですから投資口を購入し分配金の上昇は外部成長しか無いです。インフラは私募ファンドの方が楽しそうですね。