2017年9月12日のイオンリート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が2,875円のところ2,926円で着地しました。
 
未だ地震を引きずる、ポートフォリオ戦略は止めた方いいのでは?
20170913イオンリートFFO推移

  2017年2月及び3月に新投資口の発行(37,556百万円)を行い、新規借入金29,700百万円と合わせた資金調達により、「イオンモール伊丹昆陽」「イオンモール鹿児島」「イオンモール土浦」「イオンモールかほく」及び「イオン南大阪RDC」の5物件(取得価額の合計62,100百万円)の取得を行いました。
 内部成長としては、「イオンモール太田」及び「イオンモール四日市北」において賃料の増額を伴う活性化投資を行い、資産価値の向上を実現しました。また、2016年熊本地震により被害を受けた「イオンモール熊本」の復旧に向けて取り組み、取り壊しの上再築予定のサブ核ゾーンを除く全館が2017年3月24日に営業再開しました。
 その結果、2017年7月31日現在において投資法人が所有する不動産は、マレーシアに設立した海外不動産保有法人を通じて保有している「イオンモールセレンバン2」を含めて、国内外36物件、取得価額の合計は330,690百万円、総賃貸可能面積は3,244,337.00㎡及びポートフォリオ全体の稼働率は100%となっています。
 2017年6月23日には、「検見川浜ベイサイドモールフェリア(仮称:イオンスタイル検見川浜)」 を3,748百万円で2017年11月30日に取得することを決議しています。
 イオンリート投資法人の物件関連のプレスリリースは半分以上が地震関連のプレスリリースですね。ポートフォリオ戦略が完全に裏目に出ているパターンです。ここから解るのは大きな収益を確保できないうちにポートフォリオを気にした運用を行うとかえって利益が落ち込む可能性が大きいということだと考えます。一応物件は36棟有りますが、地方の割合が多いということが気になります。7月11日には、鹿児島県鹿児島湾を震源とする最大震度5強の地震が有りました(イオンモール鹿児島は被害無しということですが。)。やはり関東圏の競争力の高い強力な物件が欲しいですね。
 分配金も当初予想は上回りましたが、特別利益に計上された固定資産税の還付金37百万円、災害損失引当金の戻入れ500百万円を配当準備積立金へ積立ててしまっています。熊本地震発生時である2016年7月期から保有している投資家からすれば537百万円は全額配当に回して欲しいところですね。


今は利益よりもCFを配慮した財務戦略
 
 2017年7月期は、2月に取得した5物件の取得資金及び関連費用の一部に充当するため、2017年2月3日に10,000百万円、2017年2月28日に19,700百万円のブリッジローン(合計29,700百万円)の借入れを行 いました。更に、負債の返済期限の分散化及び長期化を目的として、2017年3月28日に、6,400百万円、6,100 百万円、5,200百万円、200百万円、6,800百万円及び5,000百万円(合計29,700百万円)のリファイナンスを実施し、ブリッジローンについては、同日に期限前弁済しています。
 2017年7月31日現在の有利子負債残高は148,500百万円であり、LTVは43.0%です。長期有利子負債比率(有利子負債合計に対する長期有利子負債(1年内返済予定の長期借入金を含む。)の割合)は100.0%及び金利の固定化比率(有利子負債合計に対する金利支払いが固定化された有利子負債(金利スワップで固定化された有利子負債を含む。)の割合)は92.9%であり、LTVとあわせて引き続き健全かつ保守的な財務体質を保持しています。熊本地震でダメージを受けた物件の補修費用の工面と分配金の支払いを考えると長期借入金を大きくし当面のCFを安定化させることが必要なので財務面の戦略については納得がいきます。しばらくは借入利息や融資関連費用よりもCFを重視せざるを得ないのでしょうね。

 ※(決算短信では46.7%となっていますが、有利子負債残高÷総資産ベースで算定すると43.0%となるため当サイトでは43.0%と表記しています。)少しでもLTVは低く見せたいはずなのに保守的に敷金や保証金も有利子負債に加算して算定しているようです。各投資法人により各指標の算定方法が違うというのは問題ですね。当サイトのグラフは決算短信から同じ計算式で再計算した数値を使用しています。