2017年11月29日にユナイテッド・アーバン投資法人が資産の運用を委託する資産運用会社であるジャパン・リート・アドバイザーズ㈱の発行済株式の95%を保有する、丸紅㈱において、資産運用会社株主に対する株式売渡請求を行うことが決定され、それを受け、資産運用会社取締役会において、株式売渡請求を承認することを決定したと発表しました。


(注)丸紅㈱は、資産運用会社の発行済株式8,500 株のうち8,075 株を保有しており、会社法第179 条第1 項に規定される特別支配株主になっています。


1.株式売渡請求の経緯


 特別支配株主(丸紅㈱)は、本資産運用会社並びに本投資法人に対するスポンサーサポートを強化することを目的として、本資産運用会社の完全子会社化をめざし、本資産運用会社の発行済株式425株(議決権所有割合5.0%)を保有する極東証券㈱との間で本売渡株式の譲渡につき協議を行ってきたとのこと。


2.本売渡株式の対価


 本売渡株式1株につき2,705,883 円


3.本売渡請求への本資産運用会社の対応方針


 資産運用会社は、以下を理由に売渡請求を承認することが妥当と判断しました。

 ①本売渡請求は、会社法その他の関係法令に適合しており、その遵法性に問題ないことが確認できること。
 ②本売渡請求に係る本売渡株式の譲渡対価は、本資産運用会社が本特別支配株主から独立した第三者算定機関に算定を依頼した、本売渡株式価値の価格レンジの範囲内であり、少数株主である本売渡株主の利益を損なうものではないと判断されること。
 ③本資産運用会社が、本特別支配株主の完全子会社となることにより、今後、本資産運用会社株主の意思決定が迅速化し、スポンサーサポートの更なる強化が見込まれること。


4.本売渡請求に伴う株式譲渡の日程


 本特別支配株主からの売渡請求日 2017年11月29日(本日)
 本資産運用会社の取締役会決議日 2017年11月29日(本日)
 本特別支配株主の本売渡株式取得日 2017年12月22日(予定)(注)
(注)本特別支配株主による本売渡請求通知に記載の本売渡株式の取得予定日を記載。


5.その他

 本売渡請求による本資産運用会社の組織体制及び運用方針並びに本投資法人の業績への影響は無し。


 ユナイテッド・アーバン投資法人の有価証券届出書を見ても公募増資における引受先に極東証券は入っていないので増資において今後不利になるという可能性は無いと思います。ただ、丸紅の100%子会社になったとしてもスポンサーサポートの更なる強化には繋がらないと思います。むしろ丸紅㈱の発言権が増すことになるため丸紅㈱が資産運用会社に幹部が派遣されたり丸紅㈱から物件を「買わされる」リスクが大きくなると考えられます。


 J-REITのスポンサーは複数スポンサーの方がスポンサー同士での牽制が図られるため投資家としては安心できます。単独スポンサーの場合、投資法人がスポンサーの「ゴミ箱」になる可能性が高いのでリスクは高まったと言わざるを得ません。ただユナイテッド・アーバン投資法人の場合、もともと極東証券㈱の保有率は5%なので牽制にはなっていなかったのだと思います。