2018年2月22日にジャパン・ホテル・リート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が3,590円のところ3,683円で着地しました。

ザ・ビーホテルのGOPが下回るもポートフォリオ全体では好調
20180225ジャパン・ホテル・リート投資法人NOI推移

 2017年12月期の物件の業績については、東京、大阪等の一部の地域においてホテルの新規供給や民 泊の影響が見られたものの、積極的かつ能動的に保有ホテルの収益力及び資産価値の向上を図るアクティブ・ アセットマネジメントの実践により、地方の主要都市の多くのホテルで宿泊部門を中心に堅調に推移しました。

 投資法人が㈱ホテルマネージメントジャパン(HMJ)に賃貸し、変動賃料を導入している5ホテル、並びにHMJグループに賃貸し、変動賃料を導入している「オキナワ マリオット リゾート&スパ」、アクティブインターシティ広島の主要施設である「シェラトングランドホテル広島」、「ホテルセントラーザ博多」及び「ホリデイ・イン大阪難波」からなるHMJ9ホテル全体の当期の運営状況は、宿泊部門が牽引役となって、売上及びGOP(売上高営業粗利益)が前年を上回りました。宿泊部門では、RevPAR(販売可能客室一室当たり宿泊部門売上)最大化を図るために各ホテルの宿泊マーケット状況に応じた柔軟な価格設定等により収益向上を図りました。

 アコー6ホテルにおいても、インバウンドを中心としたレジャー需要の取り込みに成功し、一部ホテルで改装に伴う売り止めの影響があったものの、アコー6ホテル全体の売上及びGOPは前年を上回りました。反対に「ザ・ビー6ホテル」においては、インバウンド旅行者の団体旅行から個人旅行への流れやこれに伴うオンラインでの予約比率の上昇といった状況の変化に対応した取り組みを行ってきたものの、東京エリアでのホテルの新規供給や民泊の影響により、東京都内のホテルで売上及びGOPが前年を下回りました。


3物件取得もLTVは39.9%と低水準

 2017年7月の公募増資及び同年8月の第三者割当増資による調達額18,686百万円に加え、 短期借入金4,000百万円及び長期借入金11,000百万円の資金調達を行い、同年7月及び8月に「ヒルトン成 田」、「インターナショナルガーデンホテル成田」及び「ホテル日航奈良」の3物件を取得しました。借入れに際しては、㈱西日本シティ銀行を新たに取引銀行に加え、借入先の更なる多様化を図りました。また、同年2月、9月及び11月には返済期日が到来した既存借入金10,750百万円の借換えを実施しました。さらに、11月には既存短期借入金の一部期限前弁済に充当する目的で機関投資家向け投資法人債1,000百万円の 起債を行いました。これにより、2017年12月期末での有利子負債残高は140,399百万円、うち短期借入金3,000百万円、1年内返済予定の 長期借入金15,022百万円、長期借入金98,777百万円、投資法人債23,600百万円となっており、LTV39.9%となりました。一連の資金調達を通じて、資金調達コストの低減及び返済期限の長期化を図りました。併せて、将来の金利上昇リスクを回避するため、固定金利借入及び金利スワップ契約の締結を行いました。これにより、有利子負債総額に対する金利の固定化比率(金利キャップ購入分を含む)は94.0%となっています。

 ホテル業績向上に伴う変動賃料等の増加による収入増を目指す取り組みに加え、不動産運用費用、一般管理費、借入費用における各費用項目についても、関係者との地道な協議等を通じコスト削減を図ることにより、分配金の向上に努めてきました。