大和証券オフィス投資法人が、2018年3月5日に㈱日本格付研究所(JCR)から取得している格付けについて長期発行体格付の見通しを変更されたと発表しました。

1.変更の内容
 長期発行体格付  AA-(安定的)→ AA-(ポジティブ)
 
2.見通し変更の理由
    ① 物件入れ替えを通じたポートフォリオの分散化とキャッシュフローの安定化の進展、並びにポートフォリオのNOI利回りの底上げられている点
  (本ポートフォリオ中、大物件であり、かつ比較的低い NOI利回りであった「新宿マインズタワー」 の一部譲渡等を行う一方、新規に「コンカード横浜」等を取得)

 ② 保守的な財務の運営状況
 (引き続きLTV を 40%台前半の水準でコントロール)  

 ③ スポンサーグループの不動産アセット・マネジメント・ビジネスへのコミットメントの強まり    
 (スポンサーグループである大和証券グループは、近年、不動産アセット・マネジメント・ビジネスの拡大を推進しており、複数の投資法人の運営に関与) 等が評価されたものであると記載されています。

 見通し変更の理由として挙げられた点についてはLTVは直近決算で42.3%でJ-REIT全体からすると平均的なレベルです。スポンサーグループについてはJ-REIT依存体質のスポンサーはたくさんあります。つまりJCRに格付けは安定性を図る財務指標であるLTVやDSCRの改善が与える影響は小さく、NOIやNCFなど収益性を図る財務指標によって評価が向上するということがお分かり頂けると思います。大和証券オフィス投資法人はNOI利回りが直近決算で3.92%で毎期微増していることから今回の格付評価が変更になったものと考えられます。

 大和証券オフィス投資法人は物件数も54棟で資産規模もそんなに多くありません。安定性よりも収益性が大きく考慮されるJCRの評価により安定性が高いと判断することは危険ではないのか?と感じます。