2018年3月15日にサムティ・レジデンシャル投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が2,670円のところ2,675円で着地しました。
尚利益超過分配金が484円含まれています。

認知度を向上して何の意味がある?
20180318サムティ・レジデンシャル投資法人修繕費・資本的支出推移

 2018年1月期においては、地域の特徴や需要に合わせたリーシング活動の取り組みや、キッチンやエントランスなど の改修、猫専用の設備を備えた部屋の設置、セキュリティ性の高い宅配ボックスの設置などといった快適性、利便性、安全性等のユーザビリティの向上に取り組んだことから、期中平均稼働率が96.2%となるなど安定的に推移しました。調整後賃料単価は、稼働率が安定的に推移したことに加え、地域の特徴や需要を把握した賃料設定や礼金収受などに取り組んだことから、堅調に推移しました。物件毎のコスト管理に加え、効率的なリーシング活動により継続的に費用削減に取り組みました。
 また、S-FORT舞浜において、サムティプロパティマネジメント㈱との協働により屋上防水、外階段及び共用廊下の大規模修繕を実施、サムティグループとの連携を図ることで、コスト削減が実現しています。さらに、投資法人のロゴ入りの自動販売機を複数の保有物件内に設置し、認知度向上に向けた施策を行なっています。
 上記の結果、当期末における本投資法人の保有資産は49物件、取得価格の合計は51,551百万円、総賃貸可能面積は123,627.65㎡、稼働率96.5%となっています。
 2018年1月期の業績は、営業収益1,834百万円、営業利益789百万円、経常利益620百万円となり、当期純利益は619百万円となりました。また、当期の分配金は1口当たりの分配金は2,191円となりました。


借換えの平準化は地味だが〇

 2018年1月期においては、2018年1月31日付にて、2018年6月30日に返済予定の長期借入金(タームローン1A)5,000百万円の内、2,500百万円につき、借換の平準化を企図し、㈱三井住友銀行及び㈱福岡銀行をアレンジャーとする協調融資団により長期借入金(タームローン6-A、タームローン6-B)への借換を行いました。また、2018年1月31日付で短期借入金(タームローン5)400百万円の内200百万円につき、手元資金により返済を行いました。この結果、2018年1月期末時点における有利子負債残高は28,400百万円となり、LTVは51.4%となりました。

 気になるのはサムティ・レジデンシャル投資法人は比較的新しい投資法人にも関わらず物件にかける資本的支出の金額が高いという点。築年数もそんなに築古物件は無いのですが2018年1月期で単純計算でも53百万円ほど有ります。特に第3期からの増加率はヤバいですね。これはスポンサーであるサムティ㈱の利益のためにあえて工事をスポンサーに発注しているか、バリューアップ工事を行わなければ稼働率の維持または、リーシングが難しいと判断しているかのいずれかです。特にレジデンスを中心の物件で資本的支出工事が連発されるというケースは少ないので運用レベルが他AM会社と比べて低い可能性が有ります。投資口取得には注意が必要ですね。