2018年6月期決算のJ-REITの安全性について分析しました。

・有利子負債利子率
20180830有利子負債利子率推移
20180830有利子負債利子率推移2

 2018年6月決算の投資法人については全体的に前期から変わらずといったところなので資金調達コスト削減は手詰まり感があります。一応フロンティア投資法人が前期よりも削減に成功していることはポジティブに評価できると思います。フロンティア投資法人はS&P、R&I、JCRと3つから格付け評価を得ているため財務面の安定性の高さはトップクラスなのであまり心配していないんですけどね。MCUBS MidCity投資法人も有利子負債利子率は徐々に減少しており良い傾向だと思います。
 2018年6月期で一番活発な動きをしていたのがインヴィンシブル投資法人でついに投資法人債を発行したというのが個人的は時代が変わったということを感じた瞬間でした。あのどこのレンダーからも担保を求められ続けていたあのインヴィンシブルでも格付け評価してあげちゃうJCRも太っ腹と感じています。(JCRについては皮肉です)でもDSCRもついての間にか17%台(売却益を考慮しても14%台)なのでホテルという収益率の高い物件による恩恵も受けているためある程度は納得しています。
 

・LTV(有利子負債比率)
20180830LTV推移
20180830LTV推移2

 LTVは有利子負債÷総資産で計算しています。6.12月決算の投資法人のLTVは前期と比べて特段大きな増減はありませんでした。フロンティア投資法人は相変わらず低い水準ですが、フロンティア投資法人は手持ちの預金などを更に考慮して開示する傾向があるため、フロンティア投資法人発表のLTVは更に低いです。比較してみるとレンダーからの評価が良好な順でLTVが高めという姿が見えてきます。同じような物件を運用しているためなのか日本ビルファンド投資法人と日本プライムリアルティ投資法人は財務の数値がかなり似ていることが分かります。この2銘柄については値動きも割と安定しているので結局個人投資家人気も高いんですよね。一般的に投資法人の戦略としては増資できるうちに増資してLTVを下げておいた方が有効なので上記の表のうち日本リート投資法人から下の投資法人については今後も増資を増えてくると思います。