三鬼商事から2018年10月時点のオフィスレポートが公開されていますのでご紹介致します。

 URL 三鬼商事オフィスレポート(2018年10月時点)　
 


札幌ビジネス地区
　
　札幌ビジネス地区の10月時点の平均空室率は2.38％、前月比0.12ポイント上げました。10月は拡張移転や館内増床、新規進出などの成約があった一方、5月に竣工した新築ビルへの移転に伴う大型解約や小規模な撤退、館内縮小の影響も出ていたことから、札幌ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間で約6百坪増加し、平均空室率は2カ月連続で上昇しました。10月時点の平均賃料は8,733円、前月比0.34％（30円）上げました。平均賃料は2017年10月以降、13カ月連続の上昇となりました。
　10月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。駅前通・大通公園地区は0.82％、前月比0.13ポイント下げました。館内増床や新規進出に伴う成約が見られたことや、解約の動きが少なかったこともあり、同空室率が低下しました。駅前東西地区は2.55％、前月比0.42ポイント上げました。新築ビルへの移転による大型解約があったため、同空室率が上昇しました。南1条以南地区は4.31％、前月比0.51ポイント下げました。他地区からの拡張移転に伴う大型成約が見られ、同空室率が低下しました。創成川東・西11丁目近辺地区は4.14％、前月比0.28ポイント上げました。募集開始や館内縮小などの影響があり、同空室率が上昇しました。北口地区は0.97％、前月比0.45ポイント上げました。新築ビルへの移転に伴う解約の動きがあったことから、同空室率が上昇しました。

　
仙台ビジネス地区

　仙台ビジネス地区の10月時点の平均空室率は4.92％、前月比0.17ポイント下げ、5カ月連続で低下しました。10月は自社ビルの建替えや立退き移転に伴う大型成約のほか、館内増床などの成約が見られました。解約の影響が小規模に止まったこともあり、仙台ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間で約8百坪減少しました。平均空室率は5％台を下回り、1992年の調査開始以降で最も低い水準となりました。10月時点の平均賃料は9,098円、前月比0.15％（14円）上げました。平均賃料の上昇は5カ月連続となりました。
　10月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。駅前地区は3.68％、前月比0.21ポイント下げました。自社ビルの建替えに伴う大型成約や分室開設などの成約があり、同空室率が低下しました。一番町周辺地区は3.95％、前月比0.17ポイント下げました。他地区からの移転や館内増床などの中小規模の成約が見られ、同空室率が低下しました。県庁・市役所周辺地区は7.00％、前月比0.25ポイント上げました。成約が小規模に止まった一方、一部で解約の動きが出ていたため、同空室率が上昇しました。駅東地区は7.09％、前月比0.33ポイント下げました。立退きに伴う他地区からの移転の動きがあり、同空室率が低下しました。 

　東京ビジネス地区（都心5区／千代田・中央・港・新宿・渋谷区）の10月時点の平均空室率は2.20％、前月比0.13ポイント下げました。10月は竣工1年未満のビルに成約が進んだほか、既存ビルにも大型成約の動きがあったことから、東京ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約9千7百坪減少しました。新築ビルの10月時点の空室率は4.18％、前月比0.81ポイント下げました。10月は大規模ビル1棟を含めた5棟の新築ビルが満室やおおむね高稼働での竣工となったことなどから、同空室率が低下しました。既存ビルの10月時点の空室率は2.13％、前月比0.13ポイント下げました。10月は新築ビルへの移転に伴う解約の影響が見られた一方、大型成約の動きもあったため、同空室率が低下しました。
　東京ビジネス地区の10月時点の平均賃料は20,597円。前年同月比8.22％（1,564円）、前月比0.78％（159円）上げて、58カ月連続の上昇となりました。
　

　千代田区　22,818円/坪(空室率2.19%)
　中央区　　18,759円/坪(空室率3.38%)
　港区　　　20,872円/坪(空室率2.13%)
    新宿区　　18,172円/坪(空室率1.45%)
    渋谷区　　22,117円/坪(空室率0.92%)

　横浜ビジネス地区の10月時点の平均空室率は3.04％、前月比0.11ポイント下げました。10月は成約の動きは中小規模に止まっていたものの、解約や募集開始の影響が少なかったため、横浜ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間で約9百坪減少し、平均空室率は2カ月連続で低下しました。10月時点の平均賃料は11,286円、前月比0.41％（46円）上げました。平均空室率が3％台前半と低い水準で推移している中、平均賃料の上昇も13カ月連続となっています。
　10月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。関内地区は2.96％、前月比0.02ポイント下げました。成約・解約ともに大きな動きがなかったため、同空室率は前月比ほぼ横ばいで推移しました。横浜駅地区は2.59％、前月比0.15ポイント下げました。地区内での借り換え移転や他地区からの移転などの成約が見られ、同空室率が低下しました。新横浜地区は2.17％、前月比0.18ポイント下げました。中小規模の成約があったため、同空室率が低下しました。みなとみらい２１地区は4.10％、前月比0.09ポイント下げました。一部で館内増床の動きが見られ、同空室率が低下しました。

  名古屋ビジネス地区10月時点の平均空室率は2.83％、前月比0.09ポイント下げました。10月は新規進出や拡張移転、分室の開設などに伴う成約が見られた一方で、自社ビルへの移転や撤退などの解約の動きも出ていたことから、名古屋ビジネス地区全体でこの1カ月間に減少した空室面積は約9百坪に止まりました。下げ幅は小さかったものの、平均空室率は17カ月連続の低下となりました。10月時点の平均賃料は11,089円、前月比0.13％（14円）上げて、5カ月連続で上昇しました。
　10月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。名駅地区は2.58％、前月比0.07ポイント下げました。館内増床や分室の開設、新規進出に伴う成約があり、同空室率が低下しました。伏見地区は2.38％、前月比0.24ポイント下げました。新規進出や館内増床などの成約のほか、自社使用に伴う募集面積の減少などがあったため、同空室率が低下しました。栄地区は3.38％、前月比0.02ポイント上げました。他地区からの拡張移転などの動きがあったものの、縮小や撤退に伴う解約の影響が見られたことから、同空室率がわずかに上昇しました。丸の内地区は3.32％、前月比0.05ポイント下げました。自社ビルへの移転に伴う解約の影響があった一方、新規進出など小規模な成約の動きが見られたため、同空室率が小幅に低下しました。

　大阪ビジネス地区の10月時点の平均空室率は2.96％、前月比0.03ポイント上げました。10月は大型空室の募集開始や新築ビルへの移転、縮小に伴う解約の影響が出ていたものの、自社ビルからの移転や拡張移転などの成約の動きがあったことから、大阪ビジネス地区全体でこの1カ月間に増加した空室面積は約7百坪に止まりました。10月時点の平均賃料は11,410円、前月比0.11％（12円）上げました。平均賃料の上昇は22カ月連続となりました。
　10月時点の主な地区の平均空室率は次のとおりです。梅田地区は2.03％、前月比0.40ポイント上げました。大型空室の募集開始の影響により、同空室率が上昇しました。淀屋橋・本町地区は2.46％、前月比0.27ポイント下げました。他地区からの移転などの成約があったことや解約の動きが少なかったことから、同空室率が低下しました。船場地区は4.32％、前月比0.20ポイント下げました。自社ビルからの移転などの成約があり、同空室率が低下しました。心斎橋・難波地区は4.96％、前月比0.21ポイント上げました。新築ビルへの移転に伴う解約の影響が見られ、同空室率が上昇しました。新大阪地区は3.86％、前月比0.27ポイント上げました。館内縮小などに伴う解約の影響が出ていたことや成約の動きが少なかったこともあり、同空室率が上昇しました。

　福岡ビジネス地区の10月時点の平均空室率は2.50％、前月比0.03ポイント上げました。10月は一部で拡張移転に伴う大型成約があったものの、その他の成約が小規模に止まったことや自社関連ビルへの集約や撤退などに伴う大型解約の動きも出ていたことから、福岡ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間でわずかに増加しました。平均空室率は小幅ながらも2カ月連続で上昇しました。10月時点の平均賃料は9,906円、前月比0.29％（29円）上げました。平均賃料は16カ月連続の上昇となり、2009年3月以来の9千9百円台となりました。
　10月時点の主な地区の平均空室率は次のとおりです。天神地区は2.77％、前月比0.28ポイント上げました。成約が小規模に止まる中、自社関連ビルへの移転や撤退などに伴う解約の影響が見られ、同空室率が上昇しました。博多駅前地区は3.04％、前月比0.34ポイント下げました。拡張移転に伴う大型成約があったため、同空室率が低下しました。博多駅東・駅南地区は2.41％、前月比0.01ポイント上げました。館内増床などの成約があった一方で、縮小などに伴う解約の動きも出ていたことから、同空室率は前月比ほぼ横ばいで推移しました。