2018年12月14日に積水ハウス・リート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が1,531円のところ1,554円で着地しました。 

負ののれん発生益2,293百万円は良い傾向
20181220積水ハウス・リート投資法人NOI・NCF推移

 2018年5月1日付けで行われた投資法人合併に伴いで積水ハウス・レジデンシャル投資法人が保有していたレジデンス112物件及びリテール1物件の合計113物件を承継し、また、同日付でレジデンス12物件を外部へ譲渡(譲渡価格合計:16,400百万円)するとともに、積水ハウスより住居6物件(取得価格合計:25,300百万円)を取得しました。
 更に、2018年10月29日付でリテールである浜松プラザを外部へ譲渡(譲渡価格:2,799百万円)しました。その結果、2018年10月期末現在において投資法人が保有する物件は112物件(レジデンス:106物件、リテール等:6物件)、取得価格の合計は438,145百万円(居住用不動産:237,395百万円、リテール等:200,750百万円)となっています。 期中は良好な賃貸需要に下支えされ、投資法人の運用物件における2018年10月期末時点の稼働率は、レジデンスについては97.9%、リテール等については100.0%、ポートフォリオ全体の稼働率については98.4%となりました。
 積水ハウス・リート投資法人で一番重要なことは身内合併を行い2,293百万円の負ののれん発生益を獲得したということ。これで急な修繕工事や災害による損失が発生したとしても負ののれん発生益を取り崩すことにより修繕費や災害復興による費用を補填することで分配金の安定化が図られる可能性が高くなったということです。
 ただ、この2018年という鑑定評価額バカ上がりの時代に合併してしまったので積水ハウス・レジデンシャル投資法人から承継した物件は「高値掴み」となっている状況ですので(会計上は不動産・信託受益権等は時価での取得となるため)合併により承継した物件を売却する時に発生する売却損と相殺させる可能性が高いので100%分配金の安定化に繋がる訳では無いので過度な期待は禁物です。


合併後もレンダーからの評価は良好

 中長期的に安定した収益の確保及び投資主価値の向上のために安定的かつ健全な財務運営を行うことを基本方針としています。
 2018年10月期においては、上記に挙げた投資法人合併に積水ハウス・レジデンシャル投資法人より借入金95,032百万円及び投資法人債10,500百万円を承継しました。また、2018年5月1日付で不動産信託受益権の取得資金及び関連費用の一部に充当するため、総額8,000百万円の短期借入金を調達し、この短期借入金は、2018年5月31日付で同額を長期借入金に借換えを実施し、2018年8月31日に返済期日が到来した総額2,500百万円の変動金利の長期借入金については、同額で変動金利の長期借入金に借換えを実施しました。更に、積水ハウス・レジデンシャル投資法人から承継した変動金利借入金4,750百万円に関して、金利上昇リスクに対応するため2018年10月29日付で金利スワップ契約を締結し、実質的な金利の固定化を行いました。
 この結果、有利子負債における固定金利比率は前期末の93.0%から2018年10月期末現在には93.7%へと上昇しました。2018年10月期末の有利子負債残高は197,932百万円となり、LTVは43.3%となっています。また、積水ハウス・レジデンシャル投資法人から承継した極度額10,000百万円のコミットメントライン契約のコミットメント期限が2018年10月31日に到来することから、積水ハウス・レジデンシャル投資法人との合併に伴う承継により増加した有利子負債総額及び返済期限の状況等を踏まえ、2018年10月29日付で㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行及び㈱三井住友銀行との間で、極度額15,000百万円でコミットメントライン契約を再度締結しました。