2018年1月15日にタカラレーベン・インフラ投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が3,510円のところ3,871円で着地しました。
尚、利益超過分配金が350円含まれています。

踏んだり蹴ったりのインフラファンド。今は耐える時期

 2018年11月期は外部成長の拡大及び純利益に基づく分配金の増加を図るべく、2018年6月1日付にて4物件(取得価格4,930百万円)の太陽光発電設備等を取得しました。この結果、2018年11月期末時点の投資法人の保有資産合計は、25物件(価格合計30,242百万円)、総パネル出力は69.5MWとなりました。
 いくらパネルの出力が69.5MWあったとしても売電できなければ意味がありません。九州電力の出力抑制の影響に晒され天候リスクの他に電力会社リスクも明らかとなりJ-REITよりもリスクが高い金融商品とバレてしまったインフラファンドですが、発電所は少ない金額で建設できることから物件取得は容易にできるので外部成長で分配金を上昇されていくことが基本的な戦術パターンとなりそうです。タカラレーベン・インフラ投資法人最大の懸念はスポンサーの体力的な問題、新たにJ-REITも立ち上げたことで、タカラレーベン不動産本体はJ-REITにもインフラファンドにも物件を供給する必要があるためかなり資金も入り用になります。暫くはインフラファンドでは大きな動きを起こさずにJ-REITの成長に注力することが無難だと思いますが、タカラレーベン・インフラは上場インフラファンド第1号という実績がありますから成長にも手を抜けないことが悩ましいですね。


レンダーからのインフラ評価はそれほど高くない
20190121アタカラレーベン・インフラ投資法人LTV・DSCR推移

 2018年11月期の財務面については、再生可能エネルギー発電設備等4物件の取得資金及びそれに関連する諸費用に充当するため、2018年6月1日付にて3,024百万円の資金の借入を行いました。一方で、2018年11月期末において、約定弁済を行い、期末時点の借入金は、15,610百万円となっています。この結果、LTVは53.2%となりました。

 上場インフラファンドではLTVは5本中4本の投資法人が50~53%台となっており、レジデンス系J-REITと同じような財務構成になっています。まあ、固定価格買取制度を利用しているということもあり売電価格が10~20年で固定化されているため内部成長が期待できないということから資金調達も貸し手の探索よりも金額的な面で苦労しています。不動産業界ではオフィス系J-REITを中心にサスティナビリティ資格を積極的に取得していることをアピールし、特に環境(エコ)の分野を焦点にしようと必死になっています。その環境対策の方面からからインフラファンドにスポットが当たってくれると良いのですが、それまでは資金の預け先としてインフラファンドは厳しそうです。