さくら総合リート投資法人が運用中のNKビルの主要テナントである㈱ヴィンクスから 貸室賃貸借契約の解約通知書を受領したと発表しました。

テナントの異動の概要

 テナント名:株式会社ヴィンクス
 物件名称:NKビルの総賃貸面積 3,394.35㎡ / 1,026.76坪
 解約予定日および解約対象:
 ① 2019年7月31日付解約 地下1階、2階、3階、6階、8階、9階(1,834.05㎡ / 554.78坪)
 ② 2019年9月30日付解約 4階、7階 (728.88㎡ / 220.48坪)
 総賃貸可能面積に占める割合:75.5%
 投資法人の総賃貸可能面積に占める割合:1.4%
 月額賃料:非開示
 敷金・保証金:非開示

 ㈱ヴィンクスは流通小売業向けの業績システム、情報分析システムなどを開発しているIT系の企業ですね。本社は大阪にあるようですが、管理機能は東京オフィスにあるようです。この東京オフィスがNKビルに入居しているという訳です。2018年2月中間期の決算情報は以下の通りとなっています。
20190212NKビルテナント業績

【出典:㈱ヴィンクス2018年12月期第2四半期決算説明資料】

 主に4つのセグメントに分かれているようですが、主要3事業については計画通りでその他IT関連分野が計画未達となっていますが、客先にのシステム統廃合の都合による減少としているため別に業績が悪くなったことによるオフィス移転ではなく明らかに成長によるオフィス移転だと考えられます。となるとさくら総合リート投資法人的には㈱ヴィンクスの引き留めは難しいと考えられます。


今後の見通し

 当該テナントの解約通知書による解約予定日は2019年12月期(第7期:2019年7月1日~2019年12月31日)中であるため、投資法人の2018年12月期(第5期:2018年7月1日~2018年12月31日)及び2019年6月期(第6期:2019年1月1日~2019年6月30日)の運用状況の予想について、修正はありません。 資産の運用を委託するさくら不動産投資顧問㈱は、速やかにリーシング活動を開始すると同時に、共用部の改修工事の検討に着手し賃料収入の減少を最小限に抑え、空室期間の短縮とより良い賃貸条件での新規テナントの獲得を目指します。  また、本資産運用会社は、今回のテナント入れ替えに伴い、増額賃料の獲得及び解約された フロアを複数のテナントに賃貸することによるテナント集中リスクを低減させることが期待できると判断しており、この解約を物件の潜在的価値の向上を図る機会と考えています。

 尚、2019年12月期(第7期:2019年7月1日~2019年12月31日)の業績予想は2019年2月14日に予定されている本投資法人の決算発表にて発表するとしています。明後日の決算発表を楽しみにしたいですね。

 NKビルはさくら総合リート投資法人のオフィス物件では3番目の規模の物件で取得価格は3,730百万円程度。ポートフォリオ全体としては7番目と影響としてはそんなに大きい訳ではないのですが物件数が17棟しか無いため分配金に与える影響は小さく無いのではないかと思います。