2019年5月16日にケネディクス商業リート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が6,416円のところ6,477円で着地しました。

取得も譲渡も動きは活発
20190520ケネディクス商業リート投資法人収益性指標推移

 2019年3月期の外部成長については1物件(武蔵嵐山配送センター(準共有持分90%):取得価格3,879百万円)を取得し、2物件(ソララプラザ(準共有持分49%):譲渡価格2,930百万円・取得価格2,802百万円、グルメシティ千葉中央店:譲渡価格800百万円・取得価格760百万円)を譲渡しました。 その結果、2019年3月期末におけるポートフォリオは、合計53物件(取得価格の総額213,214 百万円)となりました。 
 また、運用面については生活密着型商業施設を中心としながら、物件及びテナント等のポートフォリオの分散により長期安定的なキャッシュ・フローの創出を目指すとともに、変動賃料の導入による賃料のアップサイドを追求することにより、安定性と成長性の両方を追求するポートフォリオの構築を目指しています。2019年3月期末時点のポートフォリオ全体で99.2%の稼働率となるなど、良好な稼働状況で運営されており、また、保有している商業施設及び物流施設のエンドテナント数は511件とテナント分散が図られたポートフォリオとなっています。 
 上記の運用の結果、2019年3月期の業績は、営業収益8,415百万円、営業利益3,884百万円、経常利益3,284百万円、当期純利益3,283百万円となっています。


今期も金利固定化路線で進捗中

 2019年3月期においては、既存借入れの借換えを目的とした借入れ(8,400百万円)を行い、2019年3月期末の借入金残高は99,100百万円、投資法人債を含めた有利子負債(有利子の敷金・保証金を除きます。)は106,100百万円となりました。また、借入極度額総額2,000百万円のコミットメントライン契約が2019年3月31日に契約期間満了となることに伴い、2019年4月1日に契約期間が開始するコミットメントライン契約を2019年3月27日付で再設定し、さらに2019年4月1日に契約期間が開始する借入極度額1,000百万円のコミットメントライン契約を新たに2019年3月27日付で設定しました。資金の借入れに際しては、財務戦略上の機動性や柔軟性及び平均借入コストのバランスを図りつつ、返済期限の分散化と長期化を図りました。また、一部の長期借入金については金利上昇リスクをヘッジするため、金利スワップの活用等により、金利を固定化しています。
 これらにより2019年3月期末現在の借入金及び投資法人債の平均残存年数は4.9年、加重平均金利は1.02%、長期負債比率は97.4%、LTVは44.6%となりました。

 気になるのは決算説明会資料の5ページ目の分配金の推移と運用状況のサマリーのところ。2019年3月期のポイントとしてまとめて記載させているのですがフルルガーデン八千代における原状回復工事先送りによる予算比費用減というところが気になります。
 ソララプラザ、グルメシティ千葉中央店の売却益によりDPUガ増加しているのですが、どうせならフルルガーデン八千代における原状回復工事をあえて実行した方が良かったのではないでしょうか。そうすることでよりスムーズな角度で分配金を成長させることができたのではないかと思います。