インヴィンシブル投資法人が2019年5月17日に運用中のレジデンス、スペーシア恵比寿を売却することを決定したと発表しました。
 
譲渡資産の概要

  ①譲渡資産:スペーシア恵比寿
  ②譲渡価格:12,200百万円
  ③想定帳簿価額:6,446百万円(2018年12月時点)
  ④売買契約締結日:2019年5月17日
  ⑤引渡日:2019年6月19日
  ⑥売却先:非開示
  ⑦支払方法:引渡時全額支払
  ⑧譲渡理由:スペーシア恵比寿の譲渡は、投資主利益の最大化を目指す本投資法人の取り組みの一環として行うものであり、実績NOI利回り2.98%、償却後実績NOI利回り2.34%となる譲渡予定価格で譲渡します。譲渡物件の譲渡予定価格は、帳簿価格を約57億円(89%)、直近の鑑定評価額(2019年4月1日時点)を約39億円(47%)それぞれ上回る水準であり、譲渡により5,622 百万円の譲渡益を計上することを見込んでいます。かかる譲渡益の計上が見込める今回の譲渡は好条件での売却であり、譲渡代金を用いて再投資を行い、資産入替えを実施することが投資主の利益に適うものと判断。インヴィンシブルは2017年より資産入替えを実施しており、資産の入替えによるポートフォリオの収益性の向上に努めてきました。なお、本件譲渡の譲渡益を内部留保し、これを含む譲渡物件の譲渡代金のほぼ全額を新規物件に再投資することを想定しています。但し、譲渡予定日である2019年6月19日から2019年6月期末までの譲渡物件に係る収益相当額については分配金として分配することを予定。

 インヴィンシブル投資法人は今でこそホテルとレジデンスに特化した投資法人となっていますが、昔はレジデンスと駐車場・オフィスビル等も運用していた投資法人です。そして今回譲渡予定のスペーシア恵比寿はレジデンスの旗艦物件の1つでもあります。インヴィンシブルらしからぬ好立地の比較的高価格帯のマンションであることから売却先候補は多いと考えられますので大して売却に苦労する物件では無いはずです。

 それにも関わらず仲介会社を2社も挟んで売却しています。そんなことをフォートレス様が許すとは思えません。資産運用会社についても何故2社仲介会社が存在しているのか?について触れていません。かなり不自然です。

 プレスリリースによると「譲渡先は海外の不動産ファンドの関係法人で、譲渡先から開示についての同意を得られていないため、記載していません。」となっています。ですが何故か仲介会社が2社存在しています。なぜ仲介会社2社を挟んでまで売却しなければならない相手なのか非常にきな臭い匂いがしますね。仲介会社も売却先も投資法・自主ルール上のスポンサー関係者ではないことを強調していますが、絶対にこれは関係者だと思います。ただ投資法・自主ルールにも触れない範囲でということ。例えばスポンサーの別のファンドに出資している投資家であることが考えられます。

 一般的に投資法人が物件を取得する場合は、スポンサーサイドからスポンサーの物件を取得するように要請があります。スポンサーからすると物件売却益が発生することになるので口を出したくてしょうが無いのです。しかし、物件の譲渡についてはスポンサーの手を離れているとから口を出してくることは稀です。AM会社が独自に運用ガイドラインまたはその他の事情・マーケットに従い売却します。しかし、インヴィンシブル投資法人の場合は売却についてもスポンサーから指示かでるようですね。ホテルの取得やいきなり海外物件を取得したりと「前触れ」が何も無いので動きは派手でもAM会社としての意思が感じられないんですよ。よくあるプレスリリースとして油断して流し読みができないんですよね。