2019年6月7日にインヴィンシブル投資法人が運用中のロイヤルパークスタワー南千住の売却を完了したと発表しました。

20190611インヴィンシブル投資法人・ロイヤルパークスタワー南千住

譲渡資産の概要

  ①譲渡資産:ロイヤルパークスタワー南千住
  ②譲渡価格:27,700百万円
  ③想定帳簿価額:22,130百万円(2018年12月時点)
  ④売買契約締結日:2019年5月28日
  ⑤引渡日:2019年6月7日
  ⑥売却先:非開示
  ⑦支払方法:引渡時全額支払
  ⑧譲渡理由:投資法人のポートフォリオ戦略、不動産市況の動向及び本譲渡物件の特性等を総合的に勘案し譲渡を決定しました。譲渡は、投資主利益の最大化を目指す本投資法人の取り組みの一環として行うものであり、実績NOI利回り4.26%、償却後実績NOI利回り2.59%となる譲渡予定価格で譲渡します。2017年3月にスポンサーの関係法人から取得して以来、投資法人は賃料上昇に向けた取り組み及びコスト削減策により、譲渡物件のNOIの着実な成長を実現してきました。
 譲渡物件の賃料坪単価は、投資法人の取得直後の2017年3月末から直近の2019年4月末にかけて8.9%上昇しました。また、2017年12月に譲渡物件のマスターリース会社及びプロパティ・マネジメント会社を変更し、PMフィーは年額15.7百万円(従前比40.9%)減少しました。その結果、譲渡物件の直近におけるNOIは、取得前におけるNOIに比して13.4%増加しています。投資法人の取組みにより、NOIが成長した譲渡物件の譲渡予定価格は、帳簿価格を約55億円(24.9%)、直近の鑑定評価額(2019年4月1日時点)を約43億円(18.4%)それぞれ上回り、投資法人は譲渡により5,509百万円の譲渡益を計上することを見込んでいます。
 かかる譲渡益の計上が見込める譲渡は好条件での売却であり、譲渡代金を用いて再投資を行い、資産入替えを実施することが投資主の利益に適うものと判断。
 譲渡益に加え、保有期間(2017年3月14日~譲渡予定日)において約25億円のネット・キャッシュフローを収受していることから、2017年3月に取得価格21,879百万円で取得した譲渡物件の投資にかかる内部収益率(IRR)(レバレッジ後)は 20.5%と試算されます。投資法人は譲渡の譲渡益を内部留保し、これを含む本譲渡物件の譲渡代金のほぼ全額 を新規物件に再投資することを想定しているということで、本件譲渡を直接の要因とする分配金予想の修正はありません。

 インヴィンシブル投資法人として取得した物件をバリューアップ・コスト削減をしてNOIを上昇させて売却しましたという見本みたいな譲渡理由ですね。これは私募ファンドでよくある譲渡理由です。バリューアップし物件の質を上げて売却するのは最も基本的な不動産会社の不動産運用なのですが、数値に落とし込んでアピールしているところは少ないのでプレスリリース自体は非常に好感が持てま。しかし、これの文案は資産運用会社(AM会社)でなくスポンサーのフォートレス様が鉛筆を舐め舐めしながら作成したであろう予想できてしまうんですよね。

 ロイヤルパークスタワー南千住はレジデンスの中でも規模は大きめなのであまり売却する理由が見当たらないのですが、スポンサーから物件を取得しなければならないのでそのためのキャッシュ確保という側面もあり利回りの低い物件を売却して売却した物件より高めの利回りでスポンサーから物件を取得するというのが元々の狙いであると考えられます。