2019年6月16日にスターツプロシード投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が4,400円のところ4,638円で着地しました。

稼働率はじわじわ上昇している
20190617スターツプロシード投資法人NOI・NCF利回り推移

 2019年4月期は、築年数の経過に伴う大規模修繕工事等によるコストの増加及び設備の老朽化による競争力の低下等の将来の価格下落リスクを回避する見地から、(C-8)プロシードせんげん台を2019年4月25日に譲渡(譲渡価格300百万円)しました。その結果、2019年4月期末における投資法人の保有資産は106物件、取得価格の合計は86,117百万円、総賃貸可能面積は193,457.11㎡となりました。 
 資産運用会社が、プロパティマネジメント会社であるスターツアメニティー㈱と緊密な連携をすることにより、賃料の引き上げや礼金収受等収入の増加を図り、引き続き建物維持管理コストの削減にも取り組みました。また、地域性、個別物件の特徴及び近隣競合の分析を踏まえた細かな募集条件設定及び募集店と協調した募集活動を行いました。また、継続的に空室の早期商品化を図ることによって、稼働率の安定化を目指しました。これらの施策によって、ポートフォリオ全体の稼働率は期中を通じて96.0%超の高稼働かつ安定した水準で推移し、期中の平均稼働率は96.4%、期末稼働率は96.3%となりました。業績については、営業収益3,144百万円、営業利益1,374百万円、経常利益 1,178百万円、当期純利益1,177百万円を計上しました。 


レンダーポートフォリオの変更はよいタイミングでは?

 2019年4月期の財務面は、2018年11月22日に返済期限の到来した長期借入金3,700百万円の返済に充当するために、長期借入金3,700百万円(借入期間6年)の借入を行いました。なお、当該借入については、金利上昇リスクをヘッ ジするため、金利スワップ契約を締結し、実質的に金利を固定化しました。
 この結果、2019年4月期末における1年内返済予定の長期借入金は5,949百万円、長期借入金は40,097百万円、期末有利子負債残高は46,046百万円、LTVは51.1%となりました。
 また、㈱日本格付研究所から格付けを取得しており2019年4月期末時点の格付けは、長期発行体格付:A-(安定的)となっています。

 有利子負債コストも順調に減少しており、財務コストは削減傾向にあるため問題はありません。LTV51.1%もレジデンス系J-REITの中では平均的なレベルなのでこちも懸念点はありませんね。なぜかレンダーポートフォリオを改造してみても良いとは思います。りそな銀行とあおぞら銀行の比重が高い点が気になりますね。どこかで痛い目を見たのか三菱系がレンダー構成に入っていません。三菱系のレンダーを加えろとは言いませんが、地方銀行の比率を高めてあおぞら銀行等借入シェアの高いレンダーの比率は下げた方が良いと思います。個人的な経験によるものですが業績下降や震災時の撤退が一番早いのはあおぞら銀行です。容易に手のひら返しをするレンダーを排除することは震災リスクの低減にも繋がると思います。