2019年6月14日にサンケイリアルエステート投資法人の中間決算が発表されました。
予想一口当たり分配金は1,099円となっています。

オーソドックスなオフィスビル中心の運用スタイル
20190620サンケイリアルエステート投資法人財務指標

 サンケイリアルエステート投資法人は、2019年3月11日を払込期日として公募による新投資口(227,238口)の発行を実施し、2019年3月12日に㈱東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場しました(銘柄コード2972)。また、2019年4月10日を払込期日として上記公募増資に伴う第三者割当による新投資口(11,362口)の発行を実施しました。これらの結果、2019年4月中間期現在における発行済投資口の総口数は、239,600口となっています。

 物件については2019年3月12日にオフィスビル7棟とホテル1棟の合計8物件を合計43,395百万円で取得し運用を開始しました。従って、2019年4月中間期の実質的な資産運用期間は2019年3月12日から2019年4月30日までの50日となっています。なお、中間期末日現在における保有8物件の総賃貸可能面積は33,097.44㎡、総賃貸面積は33,091.43㎡、 稼働率は100.0%でした。2019年4月中間期の業績は、営業収益328百万円、営業利益192百万円、経常損失80百万円、中間純損失81百万円となりました。なお、新投資口の発行及び投資口の上場に係る費用等計253百万円を一括費用計上しています。

 サンケイリアルエステート投資法人のスポンサーは㈱フジ・メディア・HDの子会社であるサンケイビルグループです。一応、サンケイビルは「都市開発・観光」を事業とするスポンサーなのですが、やっぱり投資家めレンダーが気にするところは㈱フジ・メディア・HDの存在ですよね。この投資法人は不動産系でも金融系でもない企業がスポンサーについているという点が大きなポイントです。

 不動産マーケットが急激に冷え込んだ場合、スポンサーと投資法人がどちらも収益が減少することになるため最悪共倒れということにもなりかねません。しかし、全く別業態の企業がスポンサーでいる場合他の投資法人が不動産不況に喘いでいる時にスポンサーに対して第三者割当増資を行うことで底値で物件を取得できる可能性があります。今のJ-REITで不動産系でも金融系でもない企業がスポンサーについているところは無いのでサンケイリアルエステート投資法人は不況時に真価を発揮する投資法人になるのではないかと考えられます。正直J-REITでも私募ファンドでも入札の価格差し入れで競合したことが無いのであくまでスポンサーからの物件取得でしばらくは成長していくことになると推察します。


上場時から日本政策投資銀行からの借入れは〇

 資金調達については2019年4月中間期においては、2019年3月11日を払込期日として東京証券取引所への新規上場に伴う公募による新投資口(227,238口)の発行を行い、21,928百万円の資金を調達しました。また、2019年4月10日を払込期日として上記公募増資に伴う第三者割当による新投資口(11,362口)の発行を行い、1,096百万円の資金を調達しました。この結果、当中間期末日現在における出資総額は、23,124百万円となりました。

 デットファイナンスの方は、物件の取得に合わせて2019年3月12日付で㈱みずほ銀行及び㈱三井住友銀行をアレンジャーとしたシンジケートローンにより、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、㈱日本政策投資銀行、みずほ信託銀行㈱、三井住友信託銀行㈱、㈱新生銀行及び㈱りそな銀行から23,410百万円の借入れを行いました。また、第三者割当による新投資口の発行の手取金を返済資金として、2019年4月22日付で1,096百万円の期限前弁済を行いました。これらの結果、2019年4月末における借入金残高は22,313百万円となり、LTVは46.8%となっています。