オリックス不動産投資法人が2019年6月25日に日本格付研究所(JCR)から取得している長期発行体格付けについてAA(安定的)の評価が継続されたことを発表しました。

■【格付評価】

 長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的
 債券格付:AA

格付事由

 オリックス不動産投資法人の2013年8月期以降の物件取得に占めるオリックスグループからの取得割合は約9割を占め、スポンサーグループとの緊密なリレーションの活用が継続的な資産規模の拡大につながっている。また、2019年4月末で99.5%の高稼働率を確保するなど、安定したトラックレコードを有する。好調な市況を背景に賃料の増額改定も進んでおり、業績は当面堅調に推移すると考えられる。
 財務面では有利子負債の調達内容や財務の安定性に配慮したLTVコントロールなどから、健全な財務運営が継続されていると見ている。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的となっています。
 
 外部成長ではスポンサーサポートの取得に加え、ポートフォリオの資産構成や中長期的な収益性などを勘案した物件売却を行うなど、マーケット環境をとらえた物件の入替えも進めています。2019年2月には将来 的な競争力の低下に備え、地方郊外型商業施設 3 物件の売却を行いました。こうした取り組みが、資産規模を拡大させながら、ポートフォリオの質の向上や分散化の構築につながっているとJCRでは考えています。内部成長では2019年8月期に大口テナントの退去が予定されているが、埋戻しは完了しています。資産運用会社(AM会社)では、担当者自らが一部PM的役割も担う「ダイレクトPM」により、テナント・リレーションの強化などを通じて、ポートフォリオ全体で高い稼働率を維持し、賃料改定の実績を積み上げており、JCRではAM会社による今後の内部成長に対する取り組みや動向について引き続き注目していくとしています。

  総資産ベースのLTVは、2018年2月期末の43.7%から2019年2月期末では42.7%と低下しており、機動的な物件取得を可能とする借入余力を確保していると判断。財務バッファーとなる含み益は拡大基調にあり、2019年2月期末の含み益率は23.9%まで高まっています。また、国内メガバンクを中心に31金融機関(2019年4月末)との良好な取引が維持されており、2019年2月期末で有利子負債の平均残存期間4.1年、固定金利比率93.1%、平均調達金利0.78%を実現しています。借入金の長期化、金利固定化、返済期限の分散化が図られており、アベイラビリティリスクまたは金利変動リスクの軽減を果たしているとしています。AM会社による資金調達及びリファイナンス実績などを勘案すれば、財務面に特段懸念点はないとJCRでは考えているとしています。