随分と前のプレスリリースにはなりますがアクティビア・プロパティーズ投資法人が投資法人債(グリーンボンド)を利用した資金調達を行いました。2019年7月1日には日本プライムリアルティ投資法人がグリーンボンド発行に向けた発行登録依頼書を提出しており、今後のJ-REITの資金調達のトレンドとなりそうです。以下がアクティビア・プロパティーズ投資法人のグリーンボンドの資金調達の概要です。
1.投資法人債(グリーンボンド)の概要
①名称:アクティビア・プロパティーズ投資法人第10回無担保投資法人債
②発行総額:金50億円
③債券の形式:投資法人債は社債、株式等の振替に関する法律の規定の適用を受け、投資法人債についての投資法人債券は発行しません。
④払込金額:各投資法人債の金額100円につき金100円
⑤償還金額:各投資法人債の金額100円につき金100円
⑥利率:年0.220%
⑦各投資法人債の金額:金1億円
⑧募集方法:一般募集
⑨申込期間:2019年7月3日(水)
⑩払込期日:2019年7月9日(火)
⑪担保等:投資法人債には担保及び保証は付されておらず、また投資法人債のために特に留保されている資産はありません。
⑫償還方法及び期限 2024年7月9日に投資法人債の総額を償還します。 投資法人による投資法人債の買入消却は、払込期日の翌日以降、振替機関が別途定める場合を除き、いつでも可能。
2.発行の理由
投資法人債の発行は、負債の返済期限の分散化、平均残存年数の長期化及び資金調達の方法の多様化を図ることが目的。また、投資法人債を、グリーンボンドとして発行することにより、サステナビリティへの取り組みを更に推進するとともに、ESG投資に関心を持つ新たな投資家の需要を喚起することにより、投資法人の発行する投資法人債に対する投資家層の拡大を図ることを目指す。
3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
①調達する資金の額(差引手取概算額):4,978百万円
②調達する資金の具体的な使途及び支出予定時期:投資法人債の払込金額5,000百万円から発行諸費用の概算額22百万円を控除した差引手取概算額4,978百万円は、2019年7月18日に、4,000百万円を、2019年11月24日に返済期日が到来する短期借入金(4,000百万円)の期限前弁済の資金に、また、残額を、2020年6月3日に返済期日が到来する短期借入金(5,000百万円)の一部期限前弁済の資金の一部に、それぞれ充当する予定。
なお、既存短期借入金4,000百万円は、大阪中之島ビルの取得に要した借入金の返済資金として、既存短期借入金5,000百万円は、A-PLACE 品川東の取得に要した借入金の返済資金として調達した資金です。
これまでは借入金にしても投資法人債にしても資金使途は明記していましたがより資金使途について明確な情報開示が求められるようになったという点が投資家さんに重要なところです。実務者ベースでは口座に資金が入れば自己資金かどうかの区別は曖昧になってしまうものですが、実際は分別管理しているかのごとくお金に色を付けて管理する必要があるため面倒なんですけどね。
また、投資法人はエネルギー消費量、CO2排出量、水消費量、廃棄物排出量といったものを毎年1回はウェブサイトで公表しなくてはならないという義務もあります。
各投資法人がサスティナビリティに積極的な理由はアベノミクスの一環により環境・社会貢献に対する貢献度を理論株価に反映させるよう機関投資家に求めているため投資口価格を上昇させようという狙いがあるためです。アクティビア・プロパティーズ投資法人が発行の理由として挙げているESG投資に関心を持つ新たな投資家とは環境・社会貢献に対する貢献度を理論株価に反映され投資口価格が上昇するであろう投資法人の投資口を買おうと考える機関投資家です。アクティビア・プロパティーズ投資法人の狙いとしてはグリーンボンドを利用しサスティナビリティ活動をアピールすることでリファイナンスと投資口価格の上昇させたいという目的があるものと考えられます。
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