2019年7月18日に大和証券オフィス投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が12,300円のところ12,559円で着地しました。

内部成長には力をいれているらしいが・・・
20190723大和証券オフィス投資法人 NOI・NCF利回り推移

 2019年5月期においてですが巡航EPS(物件売却益を控除したEPS(1口当たり当期純利益)を中長期にわたり成長させるため、物件の取得により収益の向上を目指す「外部成長」並びに既存物件の利益の最大化を目指す「内部成長」に引き続き取り組んだとしております。(いつものことですが)
 外部成長においては、2018年12月に「笹塚サウスビル」(取得価格合計3,000百万円)及び2019年2月に「グラスシティ晴海」(取得価格合計11,200百万円)を取得し、2019年2月に「Daiwa御成門ビル」(譲渡価格13,700百万円)を譲渡しました。これにより、2019年5月期末のの運用資産は、物件総数59物件、取得価格合計460,076百万円となっています。
 内部成長においては、オフィス賃貸市場が堅調に推移する中、既存テナントとのリレーション強化による内部増床ニーズの取込み、賃貸仲介会社並びにプロパティ・マネジメント会社との連携強化等、積極的なリーシングを実施。これにより、2019年5月期末の稼働率は97.1%となりました。
 これらの運用の結果、投資法人の当期の実績は、営業収益13,833百万円、営業利益6,979百万円、経常利益6,320百万円、当期純利益は6,320百万円となりました。

 決算短信では内部成長について積極的なリーシングを実施と自信満々に記載しているのですが稼働率がそれに伴っていません。誰のせいなのかと言われればDaiwa北浜ビル(稼働率86.9%)とグラスシティ晴海(稼働率47.3%)のせいです。まあグラスシティ晴美は2019年に2月に取得したばかりなので今後は新規テナントによる稼働率の上昇が期待されます。現にDaiwa青山ビルは前期91.5%の稼働率でしたが半年以内に100%までに上昇させていますし、Daiwa神宮前ビル前期78.5%の稼働率でしたがこちらも今期100%に上昇しました。これらのように大和証券オフィス投資法人短期的に稼働率を上昇させるスピードをもっているのででリーシングには自信があるのだと考えられます。ただし、Daiwa神保町3丁目ビル(前期100%→今期88.1%)、E・スペースタワー(前期93.3%→今期89.6%)のように崩れている物件もあるので2019年11月期は内部成長をもっと積極的に行って欲しいですね。


借入れシェアを調整しレンダー間のバランスを整える動きは〇

 2019年5月期の財務面の動きについてですが、新規物件の取得資金等及び借入金の返済資金に充当するための借入れとして以下の3件について借入れを行いました。
 ①2018年12月27日に取得した新規物件「笹塚サウスビル」の取得資金等に充当するため、同日に㈱三井住友銀行より総額3,000百万円の資金の借入れ。
 ②2019年2月27日に取得した新規物件「グラスシティ晴海」の取得資金等に充当するため、同日に三井住友信託銀行㈱、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行及び㈱三井住友銀行より総額11,000百万円の借入れを行いました。
 ③2019年3月29日に返済期限が到来した㈱福岡銀行、㈱三菱UFJ銀行及び㈱群馬銀行からの借入金総額6,000百万円の返済資金として、同日に同行より同額の借入れを行いました。
 ④2019年5月31日に、㈱武蔵野銀行、農林中央金庫、㈱百五銀行及び㈱山梨中央銀行から総額4,500百万円の借入れを行い、2019年2月28日に返済期限が到来しした手元資金にて返済したオリックス銀行家㈱及び㈱香川銀行からの借入金総額2,500百万円に充当し、2019年5月31日に返済期限が到来した㈱あおぞら銀行及び㈱武蔵野銀行からの借入金総額1,500百万円の返済資金に充当しました。  

 2019年5月31日に、㈱三井住友銀行、三井住友信託銀行㈱、㈱三菱UFJ銀行及び㈱みずほ銀行から、「笹塚サウスビル」及び「グラスシティ晴海」取得のために借入れた借入金総額14,000百万円のうち9,000百万円を「Daiwa御成門ビル」の譲渡代金の一部を充当し、期限前弁済しました。
 また、期中において、40,500百万円の変動金利借入金に対し、将来の金利上昇リスクをヘッジするための金利スワップ契約を締結しました。

 上記の結果、2019年5月期末の有利子負債残高は総額204,450百万円(短期借入金5,000百万円、長期借入金194,350百万円及び投資法人債5,100百万円)となりました。長期借入金のうち1年以内に返済期限が到来するものが19,500百万円、投資法人債のうち1年以内に償還期限が到来するものが3,000百万円あります。有利子負債の平均残存期間は4.0年となり、LTVは42.1%となりました。