観光庁が2019年7月31日に宿泊旅行統計調査(2019年5月・第2次速報、2019年6月・第1次速報)を発表しましたのでご紹介します。

20190805延べ宿泊者数推移

 2019年年5月の延べ宿泊者数(全体)は、4,732万人泊で、前年同月比+6.5%であった。また、6月の延べ宿泊者数(全体)は4,185万人泊で、前年同月比+1.1%であった。日本人延べ宿泊者数は、5月は、前年同月比+5.6%であり、5月としてはまたしても調査開始以来の最高値となりました。また、6月は前年同月比-1.0%でした。
 外国人延べ宿泊者数は、5月は、862万人泊で、前年同月比+10.4%であり5月としては調査開始以来の最高値となりました。また、6月は前年同月比+10.0%となっています。6月は梅雨のシーズンでそれなりに雨も多かったと思うのですが外国人旅行者には全然影響が無いみたいですね。6月の段階では韓国人旅行者についても引き続き入国は多い状態です。実際に影響が出てくるのは7月に入ってからだとは思いますが、実際のところJ-REITのホテルにはあまり影響が無いのではないかと思っています。もともとここ数年は宿泊施設が足りない状況なので返って国内旅行者が夏に宿泊できる施設が空く可能性もあるので国内旅行者また、韓国以外の外国人旅行者により客室稼働率は引き続き維持されると考えられます。

20190805施設タイプ別客室稼働率推移

 2019年年5月の客室稼働率は全体で62.8%となりました。また、6月の速報値は全体で60.3%ととなっています。5月に客室稼働率が80%を超えた都道府県は、リゾートホテル2箇所(2018年5月:3箇所)、ビジネスホテル7箇所(前年同月:3箇所)、シティホテル11箇所(前年同月:12箇所)となっています。全体の稼働率では、大阪府が80.9%と全国で最も高い値となっています。

 ビジネスホテルでは東京都、神奈川県をはじめ大阪府、京都府の稼働率は好調ですね。多くのホテル系J-REITは大阪府や京都府に非常に競争力の高いホテルを持っていることも頷けると思います。大阪府については簡易宿泊所でさえも67.1%の客室稼働率であり他の都道府県と比べると圧倒しています。ホテルの場合は特に地方の物件を取得してもホテルの運用は難しいと思います。短期的にはブームになるかもしれませんが、更にそこから内部成長を図っていくのは大変です。ホテルを利用する旅行者はホテルを目的に来る訳ではないのでいたずらに豪華にしたり朝の朝食を美味しく作るなどオペレーターとそのホテルの立地の相性もあるので恒常的に各アセットタイプの客室稼働率が低い都道府県のホテルは取得しない方が無難だと思います。
 
【出典:観光庁-宿泊旅行統計調査(2019年6月)】