2019年8月19日に日本リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり9,486円のところ9,617円で着地しました。

2019年6月期も積極的な物件取得
20190827日本リート投資法人NOI利回り推移

 日本リート投資法人の2019年6月期の外部成長についてですが、5物件の新規取得と2物件の譲渡を行いました。新規取得はまず2019年1月31日にヴァルトパーク南大井(取得価格715百万円)、2019年2月26日に天翔御茶ノ水ビル(取得価格1,800百万円) 、2019年2月27日に亀戸アイマークビル(取得価格2,580百万円)、2019年2月28日にラピュタ九条(取得価格1,480百万円)、イマザキマンションエヌ・ワン(取得価格1,180百万円)をそれぞれ取得しました。さらにスポンサーSPCである合同会社NRTグロース14と合同会社NRTグロース15の匿名組合出資も行いました。この2つのSPCには合計7物件が運用されており、その7物件の優先交渉権も取得しています。

 譲渡の方は2019年2月26日にマイアトリア名駅を1,782百万円で、2019年2月27日にFORECAST飯田橋を5,490百万円で売却しました。その結果、2019年6月期末のポートフォリオは、オフィス64物件(取得価格合計192,236百万円)、住宅23物件(取得価格合計46,824百万円)、商業施設3物件(取得価格合計10,183百万円)の合計90物件(取得価格合計249,243百万円。なお、匿名組合出資持分は含みません。)及び匿名組合出資持分2件(出資額合計100百万円、出資先運用資産数合計7物件)となっており、投資法人が保有する合計90物件の総賃貸面積は308,016.21㎡、稼働率は99.1%となっています。

 内部成長面については、新規及び既存テナントに対する積極的な営業活動を展開するとともに、既存テナントとのリレーション強化によりテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた物件競争力の向上に繋がる施策と前期と同様の内容です。こうした取組みにより、ポートフォリオの稼働率は99.1%となっています。2019年6月期の業績は、営業収益8,982百万円、営業利益4,955百万円、経常利益4,326百万円、当期純利益4,326百万円となりました。


バンクフォーメーション維持で安定性確保

 2019年6月期の財務面は新規物件の取得資金及びその関連費用の支払の一部に充当するため、2019年2月28日付で700百万円の借入れを行いました。2019年4月24日に返済期限の到来した借入金10,970百万円のリファイナンスにあたり、同日付で投資法人債の発行(総額1,000百万円)及び借入れ(総額9,970百万円)を行いました。その結果、2019年6月30日現在の有利子負債残高は126,870百万円となり、LTVは46.9%となりました。また、㈱日本格付研究所(JCR)から格付評価を取得しており、2019年6月期末では長期発行体格付:A(ポジティブ)となっています。

 LTVは財務戦略上は上限については60%を目途としていますが、45%から55%の間の水準で推移させることを当面のLTV水準に関する方針としてているため46.9%は範囲内に落ち着いています。また、借入先については、2019年6月期末のシンジケートローン団を中心としたバンクフォーメーションを維持していくとしています。ガンガン物件取得を行い資産規模を拡大しているのでレンダーとのコミュニケーションが重要です。「バンクフォーメーションを維持していく」とコメントすることで今後ともよろしく。というレンダーに対してのメッセージと捉えることができます。