2019年8月19日にジャパン・ホテル・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり3,686円でしたが分配金予想について変更は有りません。

関西のホテルにて競争激化の模様
20190829ジャパン・ホテル・リート投資法人NOI・NCF利回り推移

 2019年12月期中間(2019年1月1日から2019年6月30日までの6ヶ月間)は、希少性の高い大型フルサービスホテルであり、投資法人の旗艦物件となるヒルトン東京お台場(取得価格62,400百万円)及び、HMJが開発初期段階から携わることで、開業当初からマーケットへの知見と運営ノウハウを活かした運営を行っているホテルオリエンタルエクスプレス大阪心斎橋(取得価格2,738百万円)を取得しました。ホテルの売買市場で一部過熱感が見られる中、多様な取得スキームの提案と実行が可能となるソフト面での強みを活かした取得により、ポートフォリオの質を向上させました。

 内部成長については、ジャパン・ホテル・リート投資法人は、物件収益力と資産価値の向上を能動的に図るアクティブ・アセットマネジメント戦略を通じた固定賃料及び変動賃料の増加を目指すとともに、不動産運用費用、一般管理費、借入費用等の各費用項目についても、関係者との協議等を通じ費用削減を図ることにより、収益の向上に努めています。投資法人が保有するホテルの業績については、東京、広島、福岡等においては概ね堅調に推移したものの、関西圏でのホテルの新規供給増などの影響により、変動賃料等導入21ホテルのRevPAR及びGOP(売上高営業粗利益)は前年同期を若干下回りました。


LTVは41.5%と低めの運用

 財務面については、2019年1月の公募増資及び同年 2月の第三者割当増資による調達額33,378百万円に加え、同年4月に合計30,000百万円の借入れを行い、同年2月及び4月にホテルオリエンタルエクスプレス大阪心斎橋及びヒルトン東京お台場の2物件を取得しました。 同年3月には償還を迎えた既存投資法人債及び返済期日が到来した既存借入金の借換えを主な目的として合計6,000百万円の借入れを実行しました。

 また、同年4月にはオリエンタルホテル福岡 博多ステーション(旧 ホテルセントラーザ博多)の改装を主な使途として1,800百万円の借入れを実行しました。さらに、同年6月には個人投資家向け投資法人債8,000百万円の起債を行い、同額を既存借入金の期限前弁済に充当しました。これにより、での有利子負債残高は168,371百万円、うち短期借入金900百万円、1年内返済予定の長期借入金13,709百万円、長期借入金114,162百万円、投資法人債39,600百万円となっており、2019年12月期中間期(つまり2019年6月末)のLTVは41.5%となりました。

 他にも一連の資金調達を通じて、資金調達コストの低減及び返済期限の長期化を図りました。併せて、将来の金利上昇リスクを回避するため、一部の短期借入金を除く借入れについて固定金利による借入れ及び金利スワップ契約の締結を行いました。これにより、2019年6月末時点における有利子負債総額に対する金利の固定化比率は96.6%となっています。また格付機関による格付も取得しており、2019年6月末時点では以下のようになっています。
・㈱日本格付研究所(JCR)・・・発行体格付:A+(安定的)
・㈱格付投資情報センター(R&I)・・・発行体格付:A(安定的)