2019年9月3日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。
 2019年8月のJ-REIT市場は堅調な動きになりました。トランプ米政権が1日に対中の制裁関税「第4弾」の発動を表明したのに続き、5日には中国を経済制裁の対象となる「為替操作国」に指定したことを受け、米中の対立激化への懸念が強まりました。ただ、不安定な動きとなった株式市場からJ-REIT市場への資金シフトなどもあり、東証REIT指数が8営業日連続で上昇するなど、堅調に推移しました。下旬も、米利下げ観測や米国による対中の制裁関税の税率引き上げへの警戒から、長期金利がじりじりと低下する中、J-REITの堅調な地合いが継続し、東証REIT指数は2007年8月以来およそ12年ぶり高値まで上昇、配当込みの東証REIT指数は過去最高値を更新しました。

 今後は、東証REIT指数が2007年8月以来の水準まで急伸していることから、一旦利益確定売りが広がり、スピード調整が入る場面もありそうです。米国による対中の制裁関税「第4弾」の発動で、投資家心理が悪化することも想定 されますが、J-REITは貿易摩擦の影響を受けにくく、下押しは限定的となりそうです。7月末の東京都心の平均賃料は67か月連続で上昇するなど、良好なオフィス市況が続いています。欧米の中央銀行は9月の会合で、利下げなど 金融緩和に動くとみられ、日銀についても金融緩和圧力が強まりそうです。日本や欧州の長期金利がマイナス圏に沈む中、J-REITの相対的に高い利回りに着目した投資家の買いなどから、高値圏での底堅い動きになりそうです。

8月の主要指標

 東証REIT指数
  2,082.64円前月比(+3.2%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   2,151.82(前月比+3.3%)
  住宅     3,199.86(前月比+3.8%)
  商業・物流等 2,401.72(前月比+2.9%)

20190910しんきんアセットJ-REITマーケットレポート2019年8月
【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】