2019年9月12日に日本ロジスティクスファンドの決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり4,670円のところ4,700円で着地しました。

物件取得も再生に資金を使うと考えられる
20190919日本ロジスティクスファンド投資法人賃貸事業利益推移

 2019年7月期の外部成長については新規物件取得について、資産運用会社の知見を活かし市場よりも比較的高い利回りでの取得が期待できる「独自の取組み」として、2019年3月に市川物流センターⅢ(取得価格:3,850百万円、想定NOI利回り6.6%)を、同年6月に戸田物流センター(取得価格:2,052百万円、想定NOI利回り4.8%)を取得しました。2019年7月期末時点で合計48物件・取得価格の総額270,682百万円の不動産等を運用しており、総資産額は260,709百万円となっています。

 また、既存物件の運用においても、ポートフォリオ全体の2019年7月期末時点での稼働率は99.9%という状況になっています。上記のとおり運用の結果、実績は営業収益9,190百万円、営業利益4,651百万円、経常利益4,255百万円、当期純利益4,254百万円となりました。

 注目なのは決算説明会資料2ページ目の今後の戦略ともとれる「最もクリエイティブなREITを目指して」という表題の説明部分これまでREITのバランスシートにおける建替え(OBR)、地方公共団体からの物件取得等いろいろ新しい取組みにチャレンジしてきたことを説明しています。それと同時ににグローバル経済・金融市場における不確実性の高まりがあることを懸念している点を述べており、結果として今後も「投資家ファースト」の精神を徹底すると述べています。ここら辺について他のREITに先行してアピールすることは良いと思います。しかし、「JLFが最もクリエイティブで投資家の皆様に信頼されるREITとなるよう目指していきます。」ということからさらっと今後も投資法人の資金を利用して建替えを考えているということが伝わってきます。今後の日本ロジスティクスファンドは物件の取得よりも建替えを含めた再生に資金を投入していくことになりそうです。
 

DSCRは18.2%で利息負担は減少傾向

 2019年7月期は、2019年3月に返済期限を迎えた借入金(4,500百万円)について借換えを行い、負債調達コストの低減と借入期間の長期化を図りました。また、6月に取得した戸田物流センター(取得価格:2,052百万円)の取得資金の一部について、今後の柔軟な財務戦略に対応できることを企図し、短期借入金の調達(2,000百万円)を行いました。

 2019年7月期末時点での有利子負債総額は116,700百万円、LTVは総資産ベースで44.8%、鑑定評価額ベースで33.3%となっており、引き続き安定的な財務運営を行っています。尚、2019年7月期時点で取得している格付けは以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR):発行体格付AA(安定的)
・㈱格付投資情報センター(R&I):発行体格付AA-(安定的)