2019年9月13日にいちごホテルリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,174円のところ3,154円で着地しました。

日韓関係のダメージが収益に影響
20191003いちごホテルリート投資法人NOI推移

 2019年7月期のいちごホテルリート投資法人の外部成長については自己資金と借入金を利用しネストホテル熊本及びヴアリエホテル広島を取得し、ポートフォリオの成長と地域分散を図りました。また、前期に引き続き、保有物件の収益向上を目指し、コートホテル倉敷における客室改装工事等の価値向上CAPEXに積極的に取り組む等、着実な内部成長の強化を行いました。
 運用面については2019年7月期現在で保有するホテルについて変動賃料を導入するホテルを中心に、各ホテルオペレーターと連携をとり、増加するレジャー需要の取り込み強化や運営費用の低減を図るコストの適正化に取り組んでいるとしています。
 これらの運用の結果、2019年7月期の実績として営業収益1,789百万円、営業利益992百万円、経常利益805百万円、当期純利益804百万円を計上しました。当初の予想よりも分配金が減少する結果となっており日韓関係の悪化による影響を受けた投資法人と言えます。


価値向上CAPEX?

 資金調達の方は2019年4月にネストホテル熊本の取得資金として新規に2,220百万円、同年7月にヴァリエホテル広島の取得資金調達として新規に1,500百万円の借入れ(合計3,720百万円)を行いました。この結果、2019年7月期末の借入金残高は25,470百万円となり、LTVは43.0%となりました。
 物件り運用成績についてはホテルの新規供給の増加による影響や、日韓関係悪化による韓国人旅行者の減少の影響があったようですが、ネストホテル熊本を取得する等し、ポートフォリオ全体ではその影響を最小限に留めることができたとしています。日韓関係の悪化によるダメージを熊本のホテルを取得することで最小限に留められる理由が全く分かりませんが韓国人旅行者はやはりリゾートホテルよりもビジネスホテルを利用していたということが分かると思います。旅行者がビジネスホテルを利用するということはようするにお金が無いからということなので、そのような顧客相手にいちごホテルリートの言う「価値向上CAPEX」がどれほど影響があるのかは不明です。