2019年7月期決算のJ-REITのNAV倍率、含み益、稼働率の推移を見ていきます。

・NAV倍率
20191006J-REITNAV倍率推移
20191006J-REITNAV倍率推移2
 
 1・7月の投資法人のNAV倍率について1倍を超えている銘柄が多いので投資家さんからの評価は総じて高いと言えます。森ヒルズリート投資法人や東急リアル・エステート投資法人産業ファンド投資法人は運用歴が長いということもあり人気が高いと考えられます。日本ロジスティクス投資法人は徐々に評価を上げてきています。 日本ロジスティクス投資法人は積極的に外部成長を図るタイプではないのでNAV倍率は1倍を下回ってきましたが、他の物流系J-REITが割高になってきたということもあり相対的に割安になってきたため割と買われたのだと思います。この流れは伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人 まで流れていく予想されるで物流系J-REITは全体的に株価は更に上がるのではないかと考えています。
 コンフォリア・レジデンシャル投資法人や三井不動産ロジスティクスパーク投資法人が1倍を超えている理由は物件に起因していると考えられます。レジデンスと物流施設というアセットの違いはありますがどちらも物件の築年数が若く数年~10年台の物件が多いので物件としての潜在能力の高さが株価を押し上げているのではないかと考えられます。


・含み益
20191006J-REIT含み益推移
20191006J-REIT含み益推移2

 含み益は鑑定評価額-帳簿価格で算定しています。1.7月の投資法人も順調に含み益を積み上げている状況です。とうとう日本ロジスティクスファンド投資法人の含み益が100百万円を突破しました。日本ロジスティクスファンド投資法人は過去に4物件しか売却していないため上場時取得した物件の含み益が大きく貢献しています。含み損を抱えた物件も無いため現状いつ売却しても理論的には売却益が発生する可能性は高いです。しかし、日本ロジスティクスファンド投資法人は建替えを検討を前向きに検討している投資法人の一つなので資産の入替えを行うよりも売却益を利用して建替え費用に充当するなんてことを考えている可能性が高いので含み益が分配金として投資家さんに利益になる可能性は低いと思われます。

 また、森ヒルズリート投資法人の含み益が東急リアル・エステート投資法人の含み益にほぼほぼ追いつきましたね。2019年7月期で森ヒルズリート投資法人の物件数は11棟、東急リアル・エステート投資法人の物件数は31棟ということで森ヒルズリート投資法人の物件の方が時価が相対的に高いということが分かります。つまり潜在能力の高い物件をスポンサーから取得しているということが言えます。ただ、森ヒルズリート投資法人も取得・売却の資産の入替えではなく建替えを検討するタイプの投資法人なので含み益が投資家さんの利益となる可能性が低いことがネックですね。また、いちごホテルリート投資法人は2019年7月期こそ特に大きな影響は無いみたいですが、韓国人旅行者減少の影響を受けている可能性は高いと考えられるので2019年1月期では不動産鑑定評価額が減少している物件が出てくる可能性があります。


・稼働率
20191006J-REIT稼動率推移
20191006J-REIT稼動率推移2

 1・7月決算の投資法人は稼働率においては概ね良好な水準だと思います。特にアドバンス・レジデンス投資法人なんて物件数が多いので数棟で稼働率の減少が起きてもポートフォリオに与える影響が小さいため稼働率が高めで安定しています。他にもケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人やコンフォリア・レジデンシャル投資法人といったレジデンス系J-REITの稼働率が高めで推移しているということは良い傾向だと思います。ネットの記事等では時折、不動産投資・マンションに関するネガティブな情報が出てきますが、J-REITの稼動率を見れば非常に安定しているとご理解いただけるのではないでしょうか。森ヒルズリート投資法人、東急リアルエステート投資法人のようなオフィス系J-REITも99%台ということで立地が良い競争力の高いオフィスビルでも稼働率は安定的しています。

 しかし、オフィスビルが主力であるスターアジア不動産投資法人については改善が必要だと思います。レジデンスの97%とオフィスビルの97%は全く異なるので空室については早めにリーシングを行う必要があります。レジデンスのように直ぐに入居者が決まるというのとは違い一般的に企業が新オフィスに引っ越すのは短くても3~6ヵ月程度を要します。リーシングエージェントに外注するという選択肢もありますが、まずは既存のPM会社とのリレーションを強化するをお勧めします。あまりPMレポートのミスの指摘や修繕工事に対するルールをし過ぎるとPM会社は一気にやる気を無くすのでコントロールが必要なところです。