観光庁が2019年8月30日に宿泊旅行統計調査(2019年7月・第2次速報、2019年8月・第1次速報)を発表しましたのでご紹介します。
URL  観光庁-宿泊旅行統計調査(2019年8月)
 20191007延べ宿泊者数推移

 2019年7月の延べ宿泊者数(全体)は、4,732万人泊で、前年同月比+0.4%となりました。また、8月の延べ宿泊者数(全体)は5,886万人泊で、前年同月比-1.4%でした。日本人延べ宿泊者数は、7月は、前年同月比-0.8%でした。また、8月は前年同月比-2.4%となっています。外国人延べ宿泊者数は、7月は、958万人泊で、前年同月比+5.1 %であり7月としては調査開始以来の最高値となりました。また、8月は前年同月比+4.5%となっています。
 2019年7月の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、第1位が中国、第2位が台湾、第3位が韓国、第4位が香港、第5位がアメリカで、上位5ヵ国・地域で全体の74.1%を占めています。伸び率でみると、ロシア(前年同月比+27.4%)等が大幅に拡大しました。

20191007施設タイプ別客室稼働率の推移

 2019年7月の客室稼働率は全体で62.9%となりました。また、8月は全体で69.3%となっています。2019年7月に客室稼働率が80%を超えた都道府県は、リゾートホテル2箇所(2018年7月:2箇所)、ビジネスホテル9箇所(前年同月:8箇所)、シティホテル12箇所(前年同月:10箇所)となりました。全体の稼働率では、東京都と大阪府が79.6%と全国で最も高い値でした。
 マスコミ等で散々煽られていた韓国人宿泊者数が減少し経済がヤバイのではないか?問題ですが、結果として韓国人宿泊者数は前年同月比-10.8%の895,400人/泊となりましたが代わりに中国人宿泊者数が+21.5%増加し2,965,280人/泊となっており、韓国人宿泊者数が減少の影響は全体としては影響はほとんど無いという結果になっています。

 施設タイプ別の客室稼働率も旅館が大きく増加している点から星野リゾート・リート投資法人のホテルの収益も大きかったのではないかと推察します。星野リゾート・リート投資法人の「星のや」、「堺」ブランドのホテルは旅館タイプなのでリゾートホテル以上に夏季がかき入れ時となるため旅館の客室稼動率が昨年度よりも高いとなると星野リゾート・リートの収益は大いに期待できるのではないでしょうか。
 日韓関係の悪化による影響を一番受けているのはいちごホテルリート投資法人だと考えられその原因はアセットタイプがビジネスホテルに偏っているためと考えられます。いちごホテルリート投資法人はスポンサーの物件をただ取得するだけでなくホテルアセットのバリエーションを図ることが大きな課題ではないかと思います。