2019年10月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。

 2019年9月J-REIT市場は、香港政府が逃亡犯条例改正案の撤回を表明したこと、英議会が欧州連合(EU)離脱の再延期を求める法案を可決したこと、また米中が10月に閣僚級貿易協議を開くことで合意したことを受けて投資家心理が改善し、堅調な動きになりました。中旬には利益確定売りに押される場面がありましたが、その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加緩和を決めたことや日銀の追加緩和への期待が広がったことを受け、長期金利がじりじりと低下する中、相対的に高い分配金利回りに着目した買いなどから堅調な地合いが継続しました。27日には東証REIT指数(配当なし)は2007年8月以来の高値まで上昇、配当込みの東証REIT指数は過去最高値を更新しました。

 今後は、高値圏での一進一退の動きを予想します。米政権が10月1日に予定していた中国製品への関税引上げを2週間延期、中国も一部の米国製品を追加関税の対象外にするなど、米中対立への警戒感はやや和らいでいます。米中の閣僚級の貿易協議で何らかの合意に至ると、市場に安心感が広がる一方、長期金利が上昇しJ-REITの利回り面での魅力が減退することに加え、株式市場からJ-REIT市場への資金流入が弱まる可能性があります。もっとも、良好なオフィス市況が続いていることは安心材料です。国内の長期金利がマイナス圏で推移する一方、J-REITの分配金利回りは依然として相対的に高い水準を維持しています。利回りに着目した買いが下支えする構図は続きそうです。

20191008しんきんアセットJ-REITマーケットレポート

9月の主要指標

 東証REIT指数
  2,177.18円前月比(+4.5%)

 東証REIT指数(用途別)
  オフィス   2,252.65(前月比+4.7%)
  住宅     3,332.63(前月比+3.8%)
  商業・物流等 2,509.19(前月比+4.5%)

【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】