2019年8月期決算のJ-REITの安全性について分析しました。

・有利子負債利子率
20191104-8月決算投資法人有利子負債利子率推移
20191104-8月決算投資法人有利子負債利子率推移2

 2月・8月決算投資法人の有利子負債利子率は落ち着いた水準です。収益性の指標が割と減少傾向にあったのでレンダーのJ-REITへの対応に変化があるかと思いましたが新規の借入れも含め金利のあから様な上昇など嫌がらせはありませんでした。(アップフロントフィーやエージェントフィーや金消契約のレビューの弁護士報酬を投資法人の負担にさせるという居ながらせは毎回行っていますが)唯一ザイマックス・リート投資法人のみ有利子負債利子率が上昇していますが、LTVが減少しているので借入れが増えた訳では無いので前期の数値が前期の後半で借り入れたもののため、高い数値が出たものです。DSCRも24.7%もあるので支払利息負担はやはり少ないと思います。2019年も終盤に入ってきたのでレンダーのJ-REITに対する姿勢はいよいよ分からなくなってきています。各投資法人が取っている有利子負債の長期化は間違っていない選択だと感じます。

 財務戦略において懸念しているのは格付機関の評価が二極化してしまうことです。S&PやR&Iは慎重に格付評価を下すと思いますがJCRは今のあまあまの格付けを続けると考えられます。サスティナビリティを利用したグリーン融資についても手掛けていることから仮にS&PやR&Iのような評価基準になった場合、レンダーはグリーン融資といえどもサスティナビリティの貢献度に寄らず返済迫ることや極端に高い金利を要求してくることになると思います。JCRは間接的に投資家さんを騙したということになりレンダー、投資家双方から責められることになるのではないかと思います。


・LTV(有利子負債比率)
20191104-8月決算投資法人LTV推移
20191104-8月決算投資法人LTV推移2

 LTVは有利子負債÷総資産で計算しています。2月・8月決算投資法人についてもLTVは全体的に低め(43~45%台)の水準で維持しようとする流れは続いています。ですが、比較的最近上場している三菱地所物流リート投資法人、ザイマックス・リート投資法人のLTVが極端に小さいという特徴があります。これは新規物件の取得をいつでも行えるように(いつでも借入や投資法人債の発行し資金調達ができる)行われる施策と量よりも質を重視した運用を行う場合に採る施策の2パターンが有ります。

 三菱地所物流リート投資法人の後者のような気がします。決算説明会資料やスポンサーが三菱地所であることからガンガン物件取得していくかと思いきや以外と動きはスローです。正直2020年は不動産マーケットの取引価格はピークになると思われます。その時期は物流施設でもかなり高額になると予想されるのでその時期に三菱地所が投資法人に物件を大量に供給するかは考え辛いです。(大量に売却しスポンサー側で売却益を多額に計上したらスポンサーとしての質を問われます。)

 一向にLTVが減る気配が無いのはタカラレーベン不動産投資法人です。この投資法人のスポンサーはタカラレーベンですが、正直、インフラファドとJ-REITのダブルスポンサーは荷が重いと思います。インフラファンドでガンガン成長しもっと儲かると踏んでいたのだと思いますが順番を間違えましたね。J-REITで成長してからインフラファンドに手を出すべだったと今は後悔していると思います。他の投資法人についてはLTVは問題無いレベルだと感じます。