2019年8月期決算のJ-REITのNAV倍率、含み益、稼働率の推移を見ていきます。

・NAV倍率
20191105-8月決算投資法人NAV倍率推移
20191105-8月決算投資法人NAV倍率推移2
 
 2・8月の投資法人のNAV倍率について先月同様に1倍を超えている銘柄が多いので投資家さんからの評価は総じて高いと言えます。なぜかラサールロジポート投資法人が大きな評価を得ています。公募増資での大量取得もあり、物件も物流施設であることから利益率が高いというところも人気の一つと考えられます。10月・11月は全体的の投資口価格はどの投資法人も上昇傾向にあるため今では更に上昇していると言えます。オリックス不動産投資法人、野村マスターファンド投資法人等外部成長に積極的な投資法人について特に投資口価格の上昇が大きいということも言えます。はやり投資家さんは分配金の成長を望んでいるということが分かります。反対に森トラスト・ホテルリート投資法人のような外部成長には慎重派で1物件当たりの質が高い物件で運用されている投資法人については投資口価格があまり伸びていないようです。また、ザイマックス・リート投資法人のように予想していたよりもイマイチ成長がしていない投資法人人も投資口価格の上昇は遅いです。日本アコモデーション投資法人の投資口価格も伸びていることからあまりアセットタイプによる差では無く運用スタイルの差ということだと推察します。


・含み益
20191105-8月決算投資法人含み益推移
20191105-8月決算投資法人含み益推移2

 含み益は鑑定評価額-帳簿価格で算定しています。含み益を利用して物件売却を行い投資法人に積立金
として蓄える投資法人が増えてきました。正直積立金をどう使うかを明らかにしていない投資法人の売却益の積立金は廃止すべきだと思います。安定した分配金を拠出するためということが一応の謳い文句ですが、建替え費用に充当しようとしていることは明らかです。ならばせめて何年後にいくらを使いこの利回りの建物を建設します。(もしくは補修します。)という積立金の利用計画を明らかにするべきと考えます。そのためサスティナビリティ施策をアピールし、社会貢献や環境配慮活動をアピールしていますが会社の社員であればサスティナビリティ活動で充実感を得られる人もいるかと思いますが、投資家さんにとって自分の資金を投資してまでそんな活動をしたい人は少ないと思います。やはりJ-REITは投資商品だという自覚を資産運用会社やスポンサー企業で働く社員方は思い出して欲しいと思います。
 個別にみるとまだ含み損を抱えている投資法人も残っていますし、含み益があるかたらとは言えその価格では売れないだろうと考えられる鑑定評価額を下されている物件もいくつか存在します。ここから2020年から2021年にかけては物件の売却を行っていく場合は慎重な売却が続くのではないかと推察します。ですが、含み損を抱えている物件は売却損を出しても絶対に売却すべきたど思います。


・稼働率
20191105-8月決算投資法人期末稼働率推移
20191105-8月決算投資法人期末稼働率推移2

 ヒューリックリート投資法人の稼動率が100%になったことはとても目出度いですね。しっかりと内部成長に力を割いた結果だと思います。物件は100%稼動させて初めて利益を頂くのがAMとしてもっとも良い形でと感じます。ヒューリックリート投資法人の場合、スポンサーからの物件取得が多くそこがアピールしているポイントでもあります。そこで物件の稼働率が低ければスポンサーの開発した物件はとんだ貧乏くじということになってしまいます。物件取得の際に立地や商圏についてもたくさんメリットをアピールしているので資産運用会社内でもプレッシャーは大きかったと思慮します。今後もこの状況を維持して頂きたいですね。
 全体的に2.8月決算の投資法人の稼動率は高めです。ほとんどが99%台に乗っているので残りの1%前後も直ぐに埋まるか、退去時点の短期的にタイミングによるものだと考えられます。特に稼働率ベースで見ると日本リテールファンド投資法人、福岡リート投資法人等のリテール系J-REITの稼働率が高めに維持されているという点から日韓関係の影響でテナント商店への来客は減ったもののテナントがその店舗を閉めるほどではないというのが現実的なところだと思います。