観光庁が2019年10月30日に宿泊旅行統計調査(2019年8月・第2次速報、2019年9月・第1次速報)を発表しましたのでご紹介します。
 2019年8月の延べ宿泊者数(全体)は、5,828万人泊で、前年同月比-2.4%となりました。また、9月の延べ宿泊者数(全体)は4,666万人泊で、前年同月比+5.0%でした。日本人延べ宿泊者数は、8月は、前年同月比-2.5%でした。また、9月は前年同月比+2.0%となっています。外国人延べ宿泊者数は、8月は、832万人泊で、前年同月比-1.7 %となりました。また、9月は前年同月比+21.5%という状況です。
 2019年8月の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、第1位が中国、第2位が台湾、第3位が香港、第4位が韓国、第5位がアメリカで、上位5ヵ国・地域で全体の73.2%を占めています。伸び率でみると、ベトナム(前年同月比+30.9%) 等が大幅に拡大しました。韓国人の旅行者は前年同月比▲49.2%と大幅に減少していますが中国は+20.2%増加しています。ベトナム人宿泊者は確かに増加しておりこちらは前年同月比30.9%の増加となっています。これらの人たちがビジネスホテルやシティホテル等の安ホテルを利用するでしょうから韓国人宿泊者に依存していたホテルはベトナムや、インド、フィリピンなど他の他のアジア圏の宿泊者を獲得できるよう仕組みを整える必要があると考えます。

20191106施設タイプ別客室稼働率推移

 2019年8月の客室稼働率は全体で69.0%となりました。また、9月は全体で63.8%とないう結果になりました。2019年8月に客室稼働率が80%を超えた都道府県は、リゾートホテル5箇所(2018年8月:10箇所)、ビジネスホテル16箇所(前年同月:21箇所)、シティホテル19箇所(前年同月:25箇所)という結果になっています。全体の稼働率では、大阪府が83.3%と全国で最も高い値でした。
 さすがに9月はどの施設タイプも客室稼働率は減少しています。秋はどのホテルも集客に苦労する時期なので致し方ないとはいえますが、旅行代理店のツアーに頼り過ぎるのは危険だと考えられます。JTB等旅行代理店のツアーを使えばある客室稼働率自体は上昇するとは思いますが、旅行代理店に支払うコストもバカにならないので連発して利用したくないという側面もあります。また、立地的には関東圏でも千葉県の台風被害の影響を受けているエリアもあるので被害地域のホテルは復興による利用者により皮肉にも売り上げが増加するケースもありますがこれはホテル本来の実力では無いので時間の経過とともに収束していくはずです。それでもどの施設タイプも客室稼働率は微増しているのでホテル系J-REITの収益・分配金はやはり魅力的と言えます。