2019年11月14日にグローバル・ワン不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,398円のところ2,440円で着地しました。

久しぶりの外部成長と高稼働率で着地
20191118グローバル・ワン不動産投資法人外部委託費推移

 2019年9月期においては、2019年4月18日にヒューリック豊洲プライムスクエア(信託受益権の準共有持分50%、取得価格21,000百万円)を取得し、同日に銀座ファーストビルを12,600百万円で譲渡しました。この譲渡により不動産売却益658百万円を計上しています。久しぶりの外部成長であることと1棟当たりの規模が大きいので売却するのも容易ではありません。それでもきっちりと売却益を計上することができたので積立金に回すことができたので大規模な修繕工事や災害を受けた場合の復旧費用や将来分配金の原資を確保できたということで安定性は上昇したと思います。(分配金につきましては、銀座ファーストビルの譲渡による売却益の一部(260百万円)を圧縮積立金として内部留保し残りは分配金とする方針です。)

 運用面についても優秀でヒューリック豊洲プライムスクエアと銀座ファーストビルの物件入替による効果もありますが稼働率が2017年9月より少しづつ上昇しているというところは評価できますね。1棟当たりが大規模とはいえ棟数はわずか11棟であり実際の管理やテナント対応はPM会社に委託しているので資産運用会社の運用は非常に簡単なはずです。つまり1棟当たりの運用戦略にかける時間を多くとることができるためPM会社やBM会社に対して細かい指示を出すことができます。2020年3月期はこの賃貸事業費用の削減に取り組んでいくものと考えられます。具体的にはリーシングフィー・広告料と考えられる「外部委託費」が大きく上昇しているからです。既に稼働率は99.8%なので自然にリーシングフィー・広告料は減少していくので自然と賃貸事業費用の削減が実行されると考えられますが他に余計なサービスにコストが係っていないか見直して欲しいですね。2019年9月期の実績として営業収益6,194百万円、営業利益3,062百万円、経常利益2,607百万円、当期純利益2,606百万円となりました。

 2019年9月期末の保有資産は、2019年9月30日現在において、オフィス11物件、取得価格の総額191,194百万円、総賃貸可能面積132,150.00㎡となっております。2019年9月期末時点のポートフォリオ全体の稼働率は、99.8%です。


物件入替も格付けに影響無し

 2019年9月期のグローバル・ワン不動産投資法人では有利子負債は、資産の長期運用及び将来の金利上昇リスク軽減の観点から、長期固定金利での調達を基本としています。2019年9月期においては、2019年4月に取得した新たな特定資産の取得資金の一部に充当するため、公募による新投資口(72,500口)については2019年4月16日、第三者割当による新投資口(3,700口)については2019年5月14 日を払込期日として、新投資口の発行を行いました。また、2019年9月30日に返済期限の到来した、既存の借入金13,500百万円の返済資金に充当するため、同日付で13,500百万円の借入れを行いました。2019年9月30日現在の出資総額(純額)は93,901百万円、発行済投資口の総口数は961,884口、借入金残高は75,500百万円、投資法人債残高は19,000百万円です。LTVは46.9%、DSCRは11.28%となっています。2019年9月末現在で取得している格付けは以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR):長期発行体格付 AA-(安定的)、債券格付 AA-
 物件入替も行いそれにおいて営業収入も営業利益も上昇しており、LTVやDSCR等の財務指標も好調なのですがJCRに格付けに変更はありませんでした。