2019年12月3日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。
 2019年11月のJ-REIT市場は、一旦スピード調整が入りましたが、その後は下げ幅を縮小する展開になりました。11月に入り、分配金利回りの相対的な高さに着目した買いなどから、東証REIT指数(配当なし)は2営業日連続で年初来高値を更新、配当込みの東証REIT指数は5日に過去最高値を更新しました。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ休止を示唆したことなどを受け、内外の金利が上昇したことをきっかけに利益確定売りが広がり、14日には東証REIT指数(配当なし)は一時2,100ポイントを割り込みました。その後は、金利上昇が一服したことから、押し目買いも広がり、再び2,200ポイント台を回復しました。月末にかけては、一進一退の動きが続きました。

 今後は、戻りを探る展開を予想します。堅調な動きが続いていたJ-REIT市場ですが、11月には一旦スピード調整が入りました。米中貿易協議が進展し、12月15日に発動予定の対中制裁関税が回避される見通しになると、投資家のリスク回避姿勢後退から長期金利が上昇し、利回り面での魅力が減退することに加え、株式市場からJ-REIT市場への資金流入が弱まる可能性があります。もっとも、米国では緩和的な金融政策が続くことが見込まれ、また日銀についても2%の物価目標達成が見通せない中、長期金利の一段の上昇は限定的とみられます。良好なオフィス市況が続く中、J-REITの分配金利回りの相対的な高さに着目した買いなどから、底堅い動きが見込まれます。

20191208しんきんアセットJ-REITマーケットレポート2019年11月

11月の主要指標

 東証REIT指数
  2,219.74円前月比(▲1.1%)

 東証REIT指数(用途別)
  オフィス   2,278.30(前月比▲1.1%)
  住宅     3,364.55(前月比▲1.2%)
  商業・物流等 2,592.93(前月比▲1.2%)

【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】