2019年12月13日にスターツプロシード投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金4,420円のところ4,542円で着地しました。

資産の入替えでポートフォリオ強化

 2019年10月期は、築年数の経過に伴う大規模修繕工事等によるコストの増加及び設備の老朽化による競争力の低下等の将来の価格下落リスクを回避する見地から、(C-13)プロシード東川口を2019年9月27日に譲渡(譲渡価格205百万円)し、(G-35)プロシード金山3を2019年10月1日に取得(取得価格770百万円)し、資産の入れ替えを行いました。その結果、2019年10月期末における投資法人の保有資産は106物件、取得価格の合計は86,681百万円、総賃貸可能面積は194,608.52㎡となりました。 

 資産運用会社は、プロパティマネジメント会社であるスターツアメニティー㈱と緊密な連携をすることにより、賃料の引き上げや礼金収受等収入の増加を図り、引き続き建物維持管理コストの削減にも取り組みました。また、地域性、個別物件の特徴及び近隣競合の分析を踏まえた細かな募集条件設定及び募集店と協調した募集活動を行いました。また、継続的に空室の早期商品化を図ることによって、稼働率の安定化を目指しました。これらの施策によって、ポートフォリオ全体の稼働率は期中を通じて95.0%超の安定稼働で推移し、期中の平均稼働率は96.0%、期末稼働率は95.7%となりました。

 このような運用の結果、2019年10月期の業績として、営業収益3,094百万円、営業利益1,364百万円、経常利益1,154百万円、当期純利益1,152百万円を計上しました。


財務戦略のトレンドに追いつきつつある
20191217スターツプロシード投資法人LTV・DSCR推移

 2019年10月期は、2019年5月24日に返済期限の到来した長期借入金3,449百万円の返済に充当するために、長期借入金3,049百万円(借入期間6年)の借入を行いました。なお、当該借入については、金利上昇リスクをヘッジするため、金利スワップ契約を締結し、実質的に金利を固定化しました。

 この結果、2019年10月期末における1年内返済予定の長期借入金は6,820百万円、長期借入金は38,826百万円、 期末有利子負債残高は45,646百万円、LTVは50.8%となりました。また、日本格付研究所から格付を取得しており、2019年10月期末時点の格付長期発行体格付:A-(安定的)、債券格付:A-となっています。

 スターツプロシード投資法人は財務戦略は必要に応じて取引金融機関の拡充、調達コストの低減、借入期間の長期化、返済期限の分散化及び金利の固定化を進めながら、投資法人債の発行も含め財務基盤の一層の強化と資金調達の多様化を目指すとしており、2020年4月期もこの方針は継続していくものと考えられます。

 また、2019年11月18日にはスターツプロシード投資法人として初めて第1回目の無担保社債を発行しました。大分時間がかかりましたが、いよいよスターツプロシードも財務戦略のトレンドに追いついてきました。いずれはサスティナビリティ融資やソーシャルボンドの発行なども視野に入ってきそうです。