2019年12月16日に星野リゾート・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金13,110円のところ13,234円で着地しました。

スポンサーと一体になった外部成長が上手くいっている
20191220星野リゾート・リート投資法人賃貸事業利益推移
 まず、外部成長については星野リゾートグループが沖縄県中頭郡読谷村にて開発を推し進める読谷リ
ゾート北地区開発計画のため物件開発SPCである㈱読谷ホテルマネジメントの株式を一部取得しました。不動産や信託受益権ではなく一般の株式を取得するという代わった戦略ですが、現状のところ工事の進捗状況はあまり芳しくないようで、プレスリリース等にも言及されていないので竣工→運営開始まではまだ時間がかかりそうですね。

 既存の保有するホテル・旅館については、2019年10月期も安定した収益の確保を図るべく運用を行いました。業績は、営業収益6,086百万円、営業利益3,330百万円、経常利益2,923百万円、当期純利益2,922百万円となりました。星野リゾート・リート投資法人の良いところは星野リゾートグループブランド以外のホテルも積極的に取得検討し、実際に取得しているという点です。どんな造りであっても星野リゾートのブランドと運用ノウハウを駆使することで収益をを上げられるという自信が見て取れます。スポンサーが投資法人への物件売却ではなく「物件運用」にフォーカスしている点がスポンサーと投資家両方の利益が両立する仕組みの源泉だと感じます。


格付け評価アップA(安定的)→A(ポジティブ)へ

 2019年10月期の資金調達状況においては、2019年3月29日に借入れにより調達した短期借入金2,850百万円の期限前弁済資金に充当するため、同年5月31日に借入れにより長期借入金2,850百万円の調達を行いました。また、既存借入金の返済期限の到来にあたり、元本返済資金を調達するため、2019年5月7日に借入れにより長期借入金300百万円の、同年10月31日に借入れにより長期借入金3,400百万円の調達をそれぞれ行いました。なお、借入金の約定弁済等があった結果、2019年10月31日現在の有利子負債残高は61,755百万円となり、LTVは35.7%となりました。

 2019年12月18日には日本格付研究所(JCR)の格付が格上げされたと発表しました。訪日外国人観光客の需要を取り込んでいるだけでなくLTVが極めて低めで安定していること、運用姿勢がブレていないところが評価されているのだと考えられます。JCRではポートフォリオ全体のうち7割が固定賃料であるところを安定性は向上していると前向きに評価をしています。投資家さんからすると競争力・集客力の高いホテルであれば変動賃料でアップサイドを狙って欲しいところ。資産運用会社としてはここの見極めが重要になるかと思います。