観光庁が2019年12月25日に宿泊旅行統計調査(2019年10月・第2次速報、2019年11月・第1次速報)を発表しましたのでご紹介します。
 2019年10月の延べ宿泊者数(全体)は、4,540万人泊で、前年同月比-2.5%となりました。また、11月の延べ宿泊者数(全体)は4,563万人泊で、前年同月比+0.8%となっています。日本人延べ宿泊者数は、10月は、前年同月比-5.0%と減りました。また、11月は前年同月比-0.4%とこちらも減少しています。外国人延べ宿泊者数は、10月は、897万人泊で、前年同月比+8.8 %であり10月としては調査開始以来の最高値となっています。また、11月は前年同月比+6.7%でした。

 2019年10月の客室稼働率は全体で69.2%となりました。また、11月は全体で65.1%とないう結果になりました。2019年年10月に客室稼働率が80%を超えた都道府県は、リゾートホテル2箇所(2018年10月:3箇所)、ビジネスホテル8箇所(前年同月:12箇所)、シティホテル9箇所(前年同月:20箇所)でした。全体の稼働率では、東京都が81.1%と全国で最も高い値となりました。

20200110施設タイプ別客室稼働率2019.11
 施設タイプごとに見るとリゾートホテルの利用が多かった都道府県は大阪府で94.2%、次いで千葉県の84%です。大阪府はシティホテルも85.2%と高水準であること、簡易宿泊所も68.4%と飛びぬけて高いことからホテルから民泊まで幅広く利用されているということが言えると思います。また、大阪に大型のホテルを持つジャパン・ホテルリート投資法人は間違いなく恩恵を受けていると考えられます。

 星野リゾート・リート投資法人もハイアットエージェンシー大阪とクインテッサホテル大阪心斎橋とを有しているためこちらの稼動率も好調だったのではないかと推察します。

 反対に大江戸温泉リート投資法人はホテル特化型にもかかわらず大阪府に物件を保有していないのは痛いですね。スポンサーの大江戸温泉シリーズに依存するだけではなくて第三者から取得することについても検討して頂きたいと思います。特に大阪府や京都府は民泊をいち早く導入するなど、観光業へ力を入れているためポートフォリオとして大阪府・京都府のホテルは保有した方が良いと思います。これは微妙にホテルに興味がある大和ハウスリート投資法人にも言えることです。でも大和ハウスリートは大阪府に物流施設を多く保有しているのでホテルよりも物流施設に重きを置いているのだとは思いますが。