2020年2月4日に日本格付研究所(JCR)がインヴィンシブル投資法人の格付けを引き上げると発表しました。

 インヴィンシブル投資法人は、ソフトバンクグループのFortressInvestmentGroupLLCをスポンサーとし、コンソナント・インベストメント・マネジメントが資産運用業務を担う。現行ポートフォリオは全148物件(ホテル:86(「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルの優先出資証券」(シェラトン)を含む)、住居:60、その他:2)で構成され、取得価格総額5,116億円の資産規模。用途別ではホテルが88.1%(取得価格ベース) 、地域別では首都圏が45.3%(同)を占める。また、J-REIT初の海外ホテル投資として、グランドケイマン島に所在する2ホテル(「ウェスティン・グランドケイマン・セブンマイルビーチ・リゾート&スパ(ウェスティン)」及び「サンシャイン・スイーツ・リゾート(サンシャイン) 」)を保有しており、地域別における海外比率は7%となっています。

 公募増資も絡め、ポートフォリオの収益性向上等を企図した資産入れ替えや、スポンサーグループのパイプラインを活用した外部成長に継続的に取り組んでいます。資産規模が拡大傾向にあるなか、特にホテルアセットのエリアやタイプについて分散が進んでいる。ポートフォリオ全体に関し、19/6期で7.1%のNOI利回り(年換算取得価格ベース) 、2019年11月末で99.2%の稼働率、住居セクターにおける賃料増額改定といった実績も示されています。ホテルの運営指標(客室稼働率、ADR等)では一部のエリアにおける供給過剰等による弱含みなど、所在エリアや物件ごとに濃淡はあるものの、海外2ホテルの取得後のパフォーマンスを含め概ね堅調な足取りを確認できるとしています。ホテルアセットに占めるマイステイズ・ホテル・マネジメント(MHM)へのオペレーター集中度は依然高水準であるが、スポンサーグループとの強固な協働関係に基づくポートフォリオ・マネジメントのトラックレコードや固定賃料による一定の下支えを踏まえると、ポートフォリオのリスク耐久力が高まり、安定したキャッシュフローの稼得可能性は向上しているとJCRでは考えているらしい。また、2019年6月に実施した住居2物件の売却に伴う内部留保額の増大により、投資法人の運営の柔軟性は高まったと判断。資産総額ベースの簿価LTVについて水準自体は相対的に高いものの、安定的にコントロールされているなど、財務面における懸念も特段みられません。以上より、格付を1ノッチ引き上げ、見通しを安定的としました。

 外部成長について2019年12期以降、フォートレス・グループのスポンサー・パイプラインを活用し、国内ホテル20物件を計988億円で取得した。本投資法人はフォートレス・グループの関係法人との間で現在、 ホテル2物件(客室数:677 室) 、住居7物件(411戸)の取得検討についての優先交渉権に関する覚書を締結している。スポンサー・パイプライン物件の取得を中心とした取り組みが続くとみられる中、NOI利回りなどポートフォリオ・マネジメントの目線に沿った形で進展するかフォローしていく。内部成長では、特にホテルに関する施設競争力の維持・向上を目的とした戦略的なCAPEXの継続実施がポイントとなろう。なお、ホテル運営に関する中長期的な競争環境(日韓関係悪化の長期化、新型コロナウイルスの影響などによるインバウンドの動向を含む)の変化には引き続き注意を払いつつ、ダウンサイドリスクへの対応をはじめ、投資法人によるポートフォリオ・キャッシュフローの維持・強化にむけた取り組みに注目している。

 資産総額ベースの簿価LTVは 2018年6月期末の50.6%から2019期6月末では48.9%で推移しており、「シェラトン」のデットを考慮した場合の水準は、現状50%程度でコントロールされているものと想定される。財務バッファーとなるポートフォリオの含み益は、2019期6月期末で839億円(含み益率:21.6%)を有する。デットについてメガバンク等を中心としたレンダーフォーメーションの維持、投資法人債の発行による直接金融へのアクセスを含めた調達先の多様化などの実績が示されているものの、一段の平均残存年数(2019期6月末:2.1年)の長期化、返済期限の分散化、金利固定化の動向を引き続きフォローしていく。 
 
 インヴィンシブル投資法人は海外のリゾートホテルも保有していますが、そのほとんどがビジネスホテルです。そのビジネスホテルの客室稼働率は中国人・韓国人という外国人旅行者に支えられています。韓国は既に関係が悪化しているため韓国人旅行者の数は減少。中国はコロナウイルスの影響で中国政府が海外渡航を禁止する可能性すらあると思うのですが・・・。まあ、お花畑のJCRですからスポンサーしか見てないんでしょうね。