2020年3月3日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。
 2020年2月のJ-REIT市場は、中旬までは堅調な地合いが継続しましたが、下旬は大幅に下落しました。新型コロナウイルスの感染拡大は懸念材料ながら、中国の景気刺激策への期待や良好な米経済指標や底堅い米企業業績を背景に、株式市場が持ち直す中、J-REIT市場は月初こそ売りに押されたものの、その後は底堅く推移しました。長期金利がマイナス圏で推移する中、東証REIT指数(配当なし)は20日には約3か月半ぶりの水準まで上昇し、配当込みの東証REIT指数は最高値を更新しました。しかしその後は、中国以外での感染が拡大する中、米国でも警戒が強まったことから、リスク回避姿勢を強めた投資家からの売りが続き、大きく値を下げる展開になりました。

 今後は、新型ウイルスの感染拡大による景気などへの悪影響が懸念される中、不安定な動きが続きそうです。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2月末に、米景気見通しが大幅に下振れすれば、利下げに動く用意があることを示唆しました。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げなどに踏み切ると、内外の金融市場に心感が広がる可能性があります。J-REITの予想分配金利回りは3.8%程度まで上昇し、長期金利との利回り差も4.0%に近い水準です。利回り面からは割安感は強まっており、過度な売りが一巡すると押し目を拾う動きも出てきそうです。しかし、新型ウイルスの収束のめどが立つまでは、予断を許さない状況が続きそうです。

20200308しんきんアセットJ-REITレポート2020年2月

2月の主要指標

 東証REIT指数
  2,017.50円前月比(▲8.9%)

 東証REIT指数(用途別) 
  オフィス   2,134.87(前月比▲8.5%)
  住宅     3,072.51(前月比▲8.4%)
  商業・物流等 2,260.82(前月比▲9.7%)

【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】