2020年3月16日にケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,064円のところ4,064円で着地しました。

グリーンリースの取組強化で物件の運用力を強化

 2020年1月期において、ポートフォリオ全体の資産構成、将来における収益力等を総合的に勘案した結果、KDXレジデンス西船橋(取得価格975百万円)KDXレジデンス阿佐ヶ谷II(取得価格939百万円)を取得し、メロディーハイム御殿山(譲渡価格480百万円)を譲渡しました。これらにより、2020年1月末の保有物件は居住用施設が119物件(取得価格の総額178,887百万円)、ヘルスケア施設が24物件(取得価格の総額54,128百万円)、その他(底地)が1物件(取得価格1,750百万円)の計144物件(取得価格の総額234,766百万円)となりました。
 居住用施設については、地域・立地及び都市、賃料帯、又はテナント層(法人・個人)等の特性を多角的に考慮することにより選定された、保有不動産の運営・管理を手がけるPM会社と連携のうえ、パフォーマンスの安定化・最大化を目指して運用を実施しました。更に、各地域に密着した有力不動産会社との連携及びPM会社の効率的なリーシング活動の強化を図りました。また、個別物件の特性、稼働状況を踏まえた募集条件の設定、「KDXレジデンス」のブランド力を活かした効率的な広告活動の実施、更にはリーシングエージェントの活用、物件ごとの特性に応じた機動的な営業活動を計画的に行いました。
 具体的な賃貸事業収入の向上に資する施策として、稼働状況が安定・好調な物件については、テナント入替え時の賃料水準の引上げや礼金の収受、更新時の賃料増額、駐車場契約率の向上、携帯電話用アンテナの新規設置等による建物付帯収入の増加を図るとともに、賃貸事業費用の削減として、共用部照明のLED化並びに付帯契約及び募集経費等の一層の見直しを行い、収支向上を図りました。また、運用資産の市場競争力の維持・向上を目的として、計画的な大規模修繕工事を5物件、共用部のリニューアル工事、専有部のバリューアップ工事及び設備の更新等を実施しました。 
 2020年1月期においても、環境への配慮・取組みとして、共用部へのLED照明導入を引き続き実施しました。また、外部評価機関による環境認証制度であるDBJ Green Building認証については、2020年1月末時点で計7物件の認証を取得しています。上記の結果、居住用施設の稼働率は2020年1月期末時点で96.5%となりました。居住用施設の期中平均稼働率は96.2%となりました。
 一方ヘルスケア施設は運用中の1施設において、大規模修繕工事に加え、サステナビリティの取組みの一環として、グリーンリースを実施致しました。グリーンリースは、環境負荷の低減に加えてテナントの費用負担の低減に繋がることから、投資法人とテナント双方にとってメリットのある取組みであり、今後も積極的に導入を検討していく予定です。上記の結果、ヘルスケア施設の稼働率は期中平均、2020年1月末時点ともに100.0%となっています。なお、底地を含めたポートフォリオ全体の稼働率は2020年1月末時点で97.6%となりました。上記の運用の結果、2020年1月期の業績は、営業収益8,066百万円、営業利益4,260百万円、経常利益3,614百万円、当期純利益3,613百万円となりました。


コミットメントライン、ソーシャルボンドの発行で資金調達の多様性が向上
20200324ケネディクスレジNEXT投資法人LTV・DSCR推移

 財務面については、新規物件の取得資金として新たに1,950百万円の借入れを行い、2020年1月期中に返済期日が到来した借入れの返済資金として5,000百万円の借入れを行いました。一方で、投資法人債の発行による調達資金を返済資金として、2,000百万円の一部期限前弁済を行いました。これらの結果、2020年1月期末現在の借入金残高は120,650百万円、投資法人債を含めた有利子負債残高は127,650百万円となり、有利子負債の平均残存年数は4.2年、平均金利は0.98%に、また長期負債比率は89.5%、固定金利比率は97.1%に、LTVは49.7%となっています。また、4,500百万円のコミットメントラインの設定も完了しています。
 また、2019年12月20日付けで投資法人債(ソーシャルボンド)2,000百万円を発行し、2020年1月期末の残高は、7,000百万円となりました。ソーシャルボンドの発行はJ-REITにおいて初めての事例であり、調達資金は、ソーシャル適格資産の取得資金への充当を目的として調達した借入金の期限前弁済資金に 全額充当しました。2020年1月期に取得している格付けは以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR):長期発行体格付:A+、見通し:安定的