2020年3月16日にエスコンジャパンリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,690円のところ3,728円で着地しました。

底地であることからテナントの業績は関係なし
20200327エスコンジャパンリート投資法人NOI推移

 エスコンジャパンリート投資法人の2020年1月期の取得・売却はありませんでした。メインスポンサーである日本エスコン㈱は1部上場企業ではありますが、スポンサーとしての実力は高くありません。その理由はエスコンジャパンリート投資法人の最大の特色として「底地」を挙げている点から分かります。要するにスポンサーの開発した物件では競争力が高くないため、取得後に賃料増額や売却益を発生させての売却が難しいことから無理やりだした特色だと感じます。しかし、底地であるため皮肉にもあまりテナントの業績に左右される可能性が少なくいう点がメリットとして働いていると考えられます。ただ、1テナントの場合は賃料が払えないくらいテナントの業績が悪化してしまった場合はテナントが退去することになるのでリスクは0ではありません。
 2020年1月期は投資法人は空区画へのテナント誘致、契約期限到来時におけるテナントの入れ替え等の適切な運用資産の管理と収益向上のための施策を行い、中長期的にわたる安定的な収益の確保に努めた結果、2020年1月期末時点の運用資産25物件の稼働率は99.9%となっています。


R&Iからの格付取得は立派

 財務の動きについては割と活発で、2019年11月26日に㈱格付投資情報センター(R&I)から「A-(安定的)」の発行体格付を取得しました。投資法人は、今後も資金調達の機動性の確保と安定した財務運営を進め、信用力の更なる向上を目指しますとしています。投資法人の当期末時点の有利子負債残高は19,820百万円であり、LTVは43.6%となっています。個人的に見直した点としては ㈱日本格付研究所(JCR)ではなく、㈱格付投資情報センター(R&I)から格付けを取得してという点です。JCRは一般企業でいう帝国データバンクみたいに大分お金で評価をある程度上げることができると感じています。(JCRが一部の金融機関と連携している融資を利用すると評価が上がる的なこも含みます。)。幸い、R&IもJCRもJREITやインフラファンドについての格付けを引き下げる評価は下していないのでJ-REITを保有中の投資家さんもある程度安心できると思います。エスコンジャパンリート投資法人は財務方針の中で原則として50%を上限とする旨は継続していくようなのでレンダーのJ-REITに対する姿勢は変わっていない状況です。