随分前のプレスリリースになりますが、投資法人みらいが運用中のホテルWBF淀屋橋南のオペレーターでもあるWBFホテル&リゾーツ㈱から民事再生法申請により賃貸借契約を解約することについて合意したと発表しました。

 これは某インヴィンシブル投資法人のスポンサー系オペレーターが負担すべき物件管理費を投資法人で負担してしまうという激アマ決断と逆のパターンです。言い方が悪いかもしれませんがオペレーターが潰れてしまった訳ですから。

 投資法人みらいは2020年4月27日付けでWBFホテル&リゾーツ㈱から民事再生法の適用を申請したという連絡を受けたことを発表していました。その時点でははテナントとの合意解約に向けた協議を行っていたため運用方針について大きな変更は無いとしていました。WBFホテル&リゾーツ㈱のホームページでは今でも民事再生法の適用を申請したという発表は無く4月26日の「臨時休業のご案内」が最新の発表となっています。WBFホテル&リゾーツ㈱が運用する他のホテルは早いものは2020年3月10日から、遅いところでも2020年5月6日から、2020年6月30日まで臨時休業となっています。社員は誰も出社していないのでしょう。

 実質3ヶ月持たなかったということになるのでそもそも経営に余裕が無かったのではないかと考えられます。となると、投資法人みらいはオペレーター選定の時点で財務諸表等のチェックが甘いのではないでしょうか。そもそもホテルはオペレーターが破綻しても次のオペレーターに切り替えることで空室リスクを低減できるという特徴があります。それを勘案し、オペレーター候補の運用コストの安さで決断してしまったのではないでしょうか。3ヶ月持たないオペレーターがクリアできてしまう与信審査では甘いです。

 投資法人みらいもインヴィンシブル投資法人のようにオペレーターの負担コストを肩代わりしてあげて欲しかったという人もいるかもしれませんが、投資法人みらいの決定(民事再生申請後にテナント解約手続きに踏み切ったこと)は正しいと思います。私もそうします。他の資産運用会社でもそうすると思います。なぜならJ-REITは投資家さんに安定的に分配金を支払うことが至上命題だからです。投資家さんの利益を損なう決断は基本できません。賃料減額要請があったとしても賃料減額することで賃貸借期間を長くすること等、投資法人にプラスの効果(投資家さんの利益にプラスになる効果)が見込めなければ認めることは難しいです。

 某インヴィンシブル投資法人の場合は、スポンサー系オペレーターのみ固定賃料を免除しかつ、物件管理費を投資法人が負担するというものです。第三者がオペレーターに対しては適用していません。つまり、経営が悪化したオペレーターを気遣った訳でも、投資家さんの利益を考えたことでもありません。ただ、スポンサーの利益を優先しただけなので庇いようが無いです。