2020年6月15日にケネディクス・オフィス投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が13,910円のところ14,412円で着地しました。

賃料減額要請は痛い、工事の延期の割には工事費用は増加
20200623ケネディクス・オフィス投資法人賃貸事業利益

 2020年4月期の物件の動きですが、2019年10月期末時点で、合計97物件(取得価格の総額424,535百万円)の運用資産と匿名組合出資持分(当初出資金額1,107百万円)を保有していました。2020年4月期においては、オフィスビル2物件(土佐堀プライム:取得価格5,000百万円、KDX神田駅前ビル:取得価格3,300百万円)を取得しました。その結果、2020年4月期末のポートフォリオ(匿名組合出資持分を除く。)は、合計99物件(取得価格の総額432,835百万円)となり、取得価格に基づく用途毎の割合は、オフィスビル99.3%、その他0.7%となりました。また、2020年4月末のポートフォリオの稼働率は99.5%となっています。

 既存物件の運用については、リーシング面においては景気や不動産市場の動向を踏まえ、仲介業者との親密なリレーションによる積極的な新規テナントの誘致、既存テナントとの良好な関係を活かして増床ニーズの取り込みを行いました。また、オフィスビルの競争力維持・向上を図るべく、専有部照明器具のLED化、外壁の改修、空調設備・エレベーターの更新等を計画的に実施しました。その結果、保有するオフィスビルの稼働率は、2020年4月期末において、東京経済圏のオフィスビルで99.7%となり、オフィスビル全体では99.5%となりました。

 また、新型コロナウイルスの影響拡大により、テナントの移転計画の見直し、飲食店舗を中心としたテナントからの賃料減額の要請、テナント専有部への立ち入りが伴う工事の延期や中止が発生していますが、2020年4月期に与える影響は軽微となっています。


コミットメントラインの延長も無事終了

 財務面の実績は、2020年1月30日に第11回無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付・分割制限付少人数私募)(発行総額2,000百万円、期間5.0年)を発行し、KDX神田駅前ビルの取得資金に充当しました。この結果、2020年4月期で投資法人債残高は10,000百万円となっています。 
 借入金の方は、有利子負債の返済期限を分散することにより、リファイナンスリスクを軽減することを目指しています。2020年4月期においては期中に返済期日が到来した借入金12,700百万円の返済資金として同額の借入れを行うと共に、物件の取得に際し、新たに5,000百万円の借入れを行っています。また、2019年6月3日に契約期間が開始したコミットメントライン契約(借入極度額6,000百万円)の契約終了日を2020年4月30日から2021年4月30日に変更し、期間を延長しました。その結果、2020年4月期で借入金残高は182,050百万円(短期借入金9,500百万円、長期借入金172,550百万円)、投資法人債残高は10,000百万円、有利子負債残高は192,050百万円となっています。

 なお、2020年4月期末の変動金利による長期借入金のうち、117,700百万円については、金利上昇リスクをヘッジするため金利スワップの活用により実質的に金利を固定化しています。有利子負債全体では、長期負債比率は95.1%、長期固定化負債比率は94.2%となっています。これらの結果、2020年4月期の有利子負債の平均残存年数は4.5年となり、平均金利は0.97%に、LTVは42.9%となっています。

 ケネディクス・オフィス投資法人は財務面については問題無いと思っています。コミットメントライン契約の延長や短期借入金の利用など財務の決断がフレキシブルになされていると思います。個人的に評価したいところは専有部の照明器具のLED化に取り組んでいるところです。共有部は簡単にできるのですが専有部は退去後でなければできない工事です。物件の修繕計画に乗っ取った法定工事を優先しがちなので専用部の工事は後回しになるケースは以外と多いのです。そこを実行したことについては好感が持てますね。