2020年6月15日に積水ハウス・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,623円のところ1,665円で着地しました。

今後もホテルを買い進めるのか?見極めは難しい

 積水ハウス・リート投資法人が投資対象と考える優良な物件が品薄である2020年4月期ですが、外部成長としてスポンサーである積水ハウス及び同社を中心とする積水ハウスグループのパイプラインサポートを活用し、同社が開発したザ・リッツ・カールトン京都(取得価格4,320百万円、準共有持分9%の追加取得)及び同グループが開発・保有していた住居2物件、エスティメゾン静岡鷹匠(取得価格:660百万円)を2020年1月31日に、グランマスト広瀬通(取得価格865百万円)を2020年4月20日に取得しました。その結果、2020年4月期末において投資法人が保有する物件は121物件(居住用不動産:113物件、商業用不動産等:8物件)、取得価格の合計は532,910百万円(居住用不動産:248,090百万円、商業用不動産等:284,820百万円)となっています。 

 また、運用面についてですが、積水ハウス・リート投資法人ポートフォリオの中核資産として位置付けているポートフォリオの約93%(取得価格ベース)を構成する住居及びオフィスビルには、概ね良好な需給環境が継続しており賃貸需要は堅調に推移しているとしています。一方、ポートフォリオの約7%(取得価格ベース)を構成するホテルについては、2020年4月期前半は訪日外国人旅行者数の堅調な推移を背景に良好な運営環境が認めたが、2020年2月以降はコロナウイルス感染症に対する各国の渡航・入国規制に伴う訪日外国人旅行者数の減少や国内移動の自粛等に伴いホテル運営に支障をきたす状況でした。投資法人の運用物件における2020年4月期末の稼働率は、居住用不動産については96.6%、商業用不動産等については100.0%、ポートフォリオ全体の稼働率については97.6%となりました。取得物件のエリアがどうも微妙な方向へ進みつつあるのが個人的には気になります。イオンリート投資法人のように立地がばらけているせいで震災のダメージが返って増えるということにならなければ良いですけどね。


R&Iより新規格付け取得で安全性を強化
20200624積水ハウス・リート投資法人LTV・DSCR推移

 資金調達の動きは、2019年11月30日に返済期日の到来した総額14,000百万円の長期借入金について、2019年11月29日付で固定金利の長期借入金(うち13,200百万円については、変動金利の長期借入金でしたが、金利スワップを設定し金利を実質的に固定化しています。)に借換えを実施しました。また、2020年1月31日付でエスティメゾン静岡鷹匠の取得資金及び関連費用の一部に充当するため、総額600百万円の短期借入金を調達し、この短期借入金600百万円の期限前返済及び2020年2月28日に返済期日の到来した長期借入金6,792.5百万円の返済資金の一部に充当するため、同日付で固定金利の長期借入金7,392百万円(うち3,350百万円については、変動金利の長期借入金でしたが、金利スワップを設定し金利を実質的に固定化しています。)の借入れを実施しました。更に、2020年4月20日付でザ・リッツ・カールトン京都の準共有持分の取得資金及び関連費用の一部に充当するため、総額5,100百万円の短期借入金を調達しました。

 また、投資法人債については、2019年11月1日及び2020年2月28日にそれぞれグリーンボンド(第5回投資法人債、発行総額5,000百万円及び第6回投資法人債、発行総額2,000百万円)を発行し、この調達資金及び手元資金により、2019年6月10日に調達した短期借入金31,160百万円のうち、2019年11月5日に5,000百万円の一部期限前返済を実施し、2020年2月28日に償還期日が到来した投資法人債2,000百万円の償還資金に充当しました。
 この結果、有利子負債における固定金利比率は2019年10月期末の91.2%から2020年4月期末には91.4%となりました。2020年4月期末の有利子負債残高は249,942百万円となり、LTVは45.1%となっています。尚、2020年4月期末時点の格付けは以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I):発行体格付:AA、債券格付:AA、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR):発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的


 積水ハウス・リート投資法人はレジデンスが主力ではありますが商業施設とホテルも保有しています。ただ、ポートフォリオの割合は商業施設とホテルは小さいため緊急事態宣言のダメージは少ない方だと思います。今後、ホテルをどうしていくのかが積水ハウス・リート投資法人の近々の課題ではないでしょうか。
 2020年4月期の一番成果はR&Iから格付けを取得したことです。㈱日本格付研究所(JCR)は激アマ診断なので無いので安全性のアピールのためには他にも格付機関を増やすことは有効だと思います。