2020年6月15日にスいちごオフィスリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,122円のところ2,163円で着地しました。

不動産価格高止まりで資産規模は足踏み状態

 2020年4月期の外部成長は2020年4月にいちご中目黒ビル(取得価格1,495百万円)を取得するとともに、ライオンズスクエア川口を譲渡(譲渡価格:2,845百万円)することにより、2020年4月期末時点の保有物件は合計85物件(取得価格の総額202,362百万円)となりました。
 保有物件については、ポートフォリオ全体のNOIの向上を重視し、賃料水準、稼働率等も考慮の上、個別物件の収益力につながる各種施策を積極的に推進しました。2020年4月期においては、いちご乃木坂ビルにおいて、テナント満足度の向上を目的とした心築による価値向上を実施する等、物件競争力及び収益力の強化に資する施策を積極的に行いました。このような施策を推進した結果、ポートフォリオ全体の稼働率は2020年4月期末時点で99.6%と高稼働を維持しています。
 これらの運用の結果、2020年4月期の業績は営業収益8,260百万円、営業利益4,381百万円、経常利益3,576百万円、当期純利益3,575百万円となりました。


不自然な財務戦略
20200628いちごオフィスリート投資法人LTV・DSCR推移
 
 2020年4月期の財務面については2019年11月、12月及び2020年3月に返済期限が到来する借入金(合計8,814百万円)の返済資金として、それぞれ同月に既存取引銀行からの借入れ(8,811百万円)を行いました。また、第5回無担保投資法人債(1,000百万円)の発行を行い、いちご中目黒ビルの取得資金の一部に充当しました。一応、安定的な財務基盤構築のため、返済期限の分散化、金利動向を注視し調達を行ったと述べています。
 オフィスビルが主力の投資法人の割にはLTVがかなり高いのが特徴です。毎期分配金に任意積立金の取崩しを行っているので利益以上の分配金を出しているため資金面で不安が残るというのも分からなくは無いですが、その割に金利スワップ契約を容易に締結したり、金利が低い短期借入金を利用し無かったりと別の側面が見え隠れしています。まあ、金融機関出身者を管理職として招いてもそんな社員がレンダーに強気に交渉できる訳では無いということだと思います。