2020年4月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20200703J-REIT(4.10月決算)NOI利回り
20200703J-REIT(4.10月決算)NOI利回り2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。コロナウイルス感染拡大の影響はありましたが4・10月決算投資法人で影響が出ているホテルを主力としているのは星野リゾート・リート投資法人ですがNOI利回りが減少に転じています。しかし、2020年1月に取得したBEB5軽井沢とソルヴィータホテル那覇の収益もありNOI自体は上昇しています。スポンサーである星野リゾートがきっちりと賃料は払ってくれたことによる点と修繕工事を控えることで修繕費を抑えたであろうことはなんとなく分かります。(星野リゾート・リート投資法人は運用について詳細に説明していないので私の個人的な感想の分は否めませんが)

 一方で、オペレーターが破綻するに至ってしまった投資法人みらいは0.2%減少して4.6%の利回りとなってしまいました。しれっと固定賃料タイプのホテルで賃料減額が発生していることによる影響が大きいようです。投資法人みらいの場合はオフィスビル・商業施設も運用資産として保有していますが、これらの物件でホテルの業績悪化のカバーは難しかったみたいですね。

 2020年4月期もケネディクス・オフィス投資法人やプレミア投資法人といった運用歴の長い投資法人についてはNOI利回りが前期よりも上昇しています。ケネディクス・オフィス投資法人の場合は既存テナントとの更新時の賃料改定を早期に取り組むことで収益力アップを図ったことが功を奏したのではないでしょうか。プレミア投資法人の場合はテナント入れ替え時に既存賃料よりも高い賃料でリーシング実行できたところでNOIが上昇しています。オフィス系J-REITである点からコロナウイルス感染拡大の影響も受けづらかったことも挙げられます。
 
 
・当期純利益率
20200703J-REIT(4.10月決算)当期純利益率
20200703J-REIT(4.10月決算)当期純利益率2

 4月・10月決算投資法人の当期純利益率の推移ですが、積水ハウスリート投資法人以外の投資法人で上昇したという結果になりました。4月期も物件売却における環境は良好であったと言えそうです。当期純利益率が圧倒的に高くなっているのはスターツプロシード投資法人です。こちらは2020年4月期において大型のレジデンスプロシード北堀江を2,457百万円で売却できたことで549百万円の売却益を計上したことによるものです。

 星野リゾート・リート投資法人の場合はホテルオペレーターがスポンサーでもある星野リゾートなので投資法人としてはそもそも物件を売却するつもりが無い(長期保有が前提)のだと予想できるのですが、投資法人みらいの場合はまだ上場してから3年程度しか経過していないにも関わらず物件売却を決断する傾向があります。特に2020年4月期はMIUMIU神戸(準共有持分33%)(売却益418百万円)、六甲アイランドDC(準共有持分7.55%)(売却益61百万円)の売却により合計480百万円の売却益を計上しています。よって投資法人みらいの当期純利益率は1.3%程度上昇しています。投資法人みらいの場合、上場後に物件を比較的早期に売却していくを意図していたのではないかと考えられます。短-中期的に売却していくことを考えていたとすると取得時に大規模な修繕工事を行わなければならない物件を後ろ倒しにして取得している可能性もあります。何が言いたいかというと今後も物件売却を行っていく可能性は高いと思います。資産規模としては投資法人みらいは拡大していくべきフェーズです。しかし、売却を実施していくとなると売却・取得を繰り返すことになるので資産規模の拡大はスローペースになっていくのではないかと推察しています。