観光庁が2020年7月31日に宿泊旅行統計調査(2020年5月・第2次速報、2020年6月・第1次速報)を発表しましたのでご紹介します。

URL  観光庁-宿泊旅行統計調査(2020年6月)

 20200804延べ宿泊者数推移
2020年年5月の延べ宿泊者数(全体)は、779万人泊で、前年同月比-84.9%となりました。また、6月は、1,394万人泊で、前年同月比-69.6%となっています。日本人延べ宿泊者数は、5月は、766万人泊で、前年同月比-81.6%という結果になりました。また、6月は、前年同月比-62.0%となっています。
 外国人延べ宿泊者数は、5月は、13万人泊で、前年同月比-98.7%となりました。また、6月は、前年同月比-98.2%という状況です。国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、第1位がアメリカ、第2位が中国、第3位がフィリピン、第4位がベトナム、第5位が韓国で、上位5ヵ国・地域で全体の49.3%を占めています。前年同月比は、ほとんどの国籍(出身地)において9割以上減少することとになりました。
 5月の客室稼働率は全体で12.9%で、6月は全体で22.4%となりました。施設タイプ別にはビジネスホテル32.1%、シティホテルが18.3%、旅館が13.0%、リゾートホテルが11.6%という結果になっています。緊急事態宣言が解除されてから持ち直してきたことによるものなのですが、やはりビジネスホテルといったビジネス目的や単身での移動ニーズに答えるものから回復していますね。しかし、多くのホテルはあえて客室をを一部もしくは半分を閉鎖して運営しているということもありリゾートホテルを中心に客室稼働率が抑えられているという側面もあると考えられます。

20200804施設タイプ別客室稼働率推移

 また、観光庁は㈱地域経済活性化支援機構との連携の下、地方への誘客や地域の観光消費額の増加を図るため、㈱観光産業化投資基盤を無限責任組合員とする「観光遺産産業化投資事業有限責任組合(観光遺産産業化ファンド)」にて、2020年7月31 日付で、有限責任組合員の加入を新たに受け入れたと発表しました。このファンドは、「日本ならでは」の魅力を持つ観光資源である「観光遺産(文化遺産・自然遺産等)」を活用する観光事業者に対する出資及び経営人材等によるハンズオン支援を通じて、地方への誘客及び地域の観光消費額増加等を図ることを目的に、2019年6月に設立されました。また、2020年12月には岩手県平泉町において、「文化遺産を活用した観光による地域活性化に関する連携協定」を締結するなど各地で進めています。まあこれもGotoトラベルを上手く享受したいということが見え見えなのですがGotoトラベルには期待できないと考えます。
 観光遺産産業化ファンドはハンズオン型の支援が売りなのですが、コロナで集客ができない以上はホテルへの支援は難しいと思います。現状は地域の観光遺産への投資が先に行われるのではないでしょうか。

 既に8月の夏真っ盛りということもあり各個人、各家庭で旅行す人はいると思います。アセットマネージャーとしてはホテルの客室稼働率を上げたいので旅行して欲しい半面、宿泊者にはコロナにかかって欲しくはないですから、オペレーターが営業自粛することは理解できるし難しい立場です。