2020年9月14日に森ヒルズリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,890円のところ2,898円で着地しました。

虎ノ門ヒルズ森タワーはオフィスながら近隣の再開発により付加価値は上昇の可能性が高い
20200922森ヒルズリート投資法人NOI・NCF・ROA利回り推移

 森ヒルズリートは2020年7月期は外部成長による物件の取得は有りませんでした。運用面においては、テナントニーズを把握した効率的かつ計画的な運営管理及び修繕工事によりテナント満足度の維持向上に努めるとともに、賃貸市況の動向を見据えながら新規及び既存テナントに対する積極的なリーシング活動を展開し、稼働率及び賃料水準の維持向上を図りました。2020年7月期末における投資法人の不動産ポートフォリオは、保有物件ベースで11物件、既投資額で390,690百万円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積174,694.60㎡、期末稼働率は98.1%となっています。2020年7月期の業績は、営業収益は9,602百万円、営業利益は6,028百万円、経常利益は5,434百万円、当期純利益は5,433百万円となりました。
 2020年7月期は物件取得は有りませんでしたが、2020年8月17日に運用中の虎ノ門ヒルズ森タワーの追加取得を決定しスポンサーである森ビル㈱から2020年9月1日付けで取得することとなっています。森ヒルズリート投資法人は東京都心部のプレミアム物件をコアとしたポートフォリオを維持・構築しています。虎ノ門ヒルズ森タワーは霞ヶ関の官庁街を始め、丸の内・日比谷・銀座等東京の主要なビジネスポイントへのアクセスに優れています、また、周辺では、東京メトロ日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ駅」の整備を含めた複数の大規模プロジェクトが進行中なのでこれからも競争力を維持できる物件だと考えられます。


有利子負債の動きが少なくLTVは45.7%で3期連続の同水準

 2020年7月期の財務面に動きについては、既存の長期借入金7,022百万円の借換え及び投資法人債5,000百万円の償還のため、12,022百万円の長期借入れを行いました。その結果、2020年6月期末の借入金残高は162,222百万円(全て長期借入金。うち1年内返済予定の長期借入金12,500百万円)、投資法人債残高は17,000百万円(うち1年内償還予定の投資法人債5,500百万円)となり、有利子負債残高は179,222百万円となっています。これらの借入れのうち、固定金利である投資法人債17,000百万円及び長期借入金7,700百万円に加えて、変動金利である長期借入金154,522百万円のうち139,266百万円については、金利上昇リスクに対応するため金利スワップの活用により実質的な金利の固定化を行っています。有利子負債に占める固定金利比率は91.5%)。今後の借入れに関して、借入金の返済期限を分散することにより、リファイナンスリスクの軽減を目指します。2020年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的