2020年9月15日にヘルスケア&メディカル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,150円のところ3,240円で着地しました。

コロナに殺人で踏んだり蹴ったり
20200926ヘルスケア&メディカル投資法人NOI・NCF・ROA利回り推移

 ヘルスケア&メディカル投資法人は2020年4月1日に取得価格38百万円にて「ベルジ武尊」、2020年6月29日に取得価格1,418百万円にて「サニーライフ鎌倉」(総取得価格1,456百万円)を取得しました。この結果、2020年7月期末で36物件を保有しており、総賃貸可能面積186,358.75㎡、稼働率100.0%となっています。ヘルスケア&メディカル投資法人は今後の経済環境について、コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、当面厳しい状況が続くものと予想しています。不動産市場についても、特に商業施設・ホテルを中心に不透明感が増している状況にあります。しかし、投資法人が保有するヘルスケア施設のオペレーターとの間で原則として賃料固定・長期の賃貸借契約を締結しており、2020年7月期末時点でコロナウイルス感染症による業績への悪影響はなく、また、テナントとの賃貸借契約の中途解約、賃料減免及び支払猶予は発生していません。しかし、コロナウイルスの感染拡大は予断を許さない状況であり、今後については状況を注視する必要があるとしています。
 コロナウイルスよりも頭が痛いのはサニーライフ北品川は同老人ホームの元職員が、入居者様に対する殺人で逮捕されたという事件です。この元職員はオペレーターを退職した後の行為なのでオペレーターが犯人という訳では無いですか、防犯体制やその運営方針について大分叩かれたことは噂では聞いています。介護職の方たちはある種人の死を見つめる仕事でもあるため介護される入居者よりもオペレーターで働くヘルパーさん達の方のケアが必要なんじゃ無いかと思います。こうなるとオペレーター自身の問題であり、冷たいようですが資産運用会社が出れる幕は無いんですよね。


安全性よりも成長性見せる時が来ているのではないか?

 ヘルスケア&メディカル投資法人の、中長期的に安定した収益の確保及び資産価値の維持・向上のため、安定的な財務運営を行うことを基本方針としています。2020年7月期におきましては、サニーライフ鎌倉の取得資金及び関連する諸費用の一部に充当するため2020年6月29日付で700百万円の借入れを行いました。2020年7月期末時点での出資総額(純額)は32,242百万円、発行済投資口の総口数は311,001口、有利子負債は総額33,150百万円、LTVは48.1%となっています。
 スポンサーに㈱三井住友銀行、NECキャピタルソリューション㈱といった金融系の企業がついているため財務面の安全性は高いと言えると思います。ヘルスケア&メディカル投資法人の場合は、安全性よりも収益性・成長可能性を示すことが課題となっています。もはやシニア系J-REITとはヘルスケア&メディカル投資法人のみであり、かつての日本ヘルスケア投資法人やジャパン・シニアリビング投資法人はレジデンス系のJ-REITに吸収され、レジデンスの種類の1つという認識になり始めています。決算短信の中でも投資環境として日本再興戦略等の政府の戦略をポテンシャルとして挙げていますが、いつまでたってもポテンシャルのままです。て2015年6月26日に「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」が公表されているのだからもっと積極的に病院を取得しても良いはずです。金融系スポンサーが付いていることで資金調達のハードルも他のJ-REITよりも低いはずなので成長にもっと積極的になるべき時だと思います。